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生命の起源 #415 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
415
DATE
12/11/1997 06:10:48 AM
TITLE
[life:000415] Re: E-Cell
AUTHOR
"Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所" <iida@***.***>
BODY


高橋 様 LIFEの皆様

こんばんは.

高橋さん> 要は問題がNに関してNPだということをいいたかっただけなので
> R^N なのですが、それともう一つ古典力学系が念頭にあったからと
> いうのもあります。つまりは多体問題です。この宇宙は
> その最小構成要素(仮にアトムと呼びます)
> をプロセッサとした超並列系だと考えることができます。
> その場合には各々のアトムは一最小時間ごとに全ての他のアトムとの
> 相互作用を計算し、次の時刻の自分の状態を決定します。
> 量子論等で場を導入する場合にも、時空量子化理論かなに_(I)_ぢで時空を
> 離散化すれば、アトムをlatticeに置き換えることで同じことがいえます。
> # 赤方偏移の量子性の議論が結着したのかどうかわからないのと、
> # 時間の量子化はまだ完全ではないのでちょっと弱いですけども
> このときには、系自体が実際に行っている計算は最適化とは
> 無縁なので、やはりRとNのみに関係するとおもいます。

飯田:
RとNに関係することには賛成.でもそれが特定の系,例えば,
細胞において,本当に指数関数になっているのはは???
特定の目的を達するために,何らかの優秀なアルゴリズムが
使われている可能性も否定できないのでは?
つまり,何も制約がなければ,$R^{N}$でも
組織されている状態,境界条件等々が旨い具合になっている
場合は,RとNの多項式になっている可能性があります.

マクロな例ですが,動物の視覚を司る細胞の配列が非常に組織
されて,本来NPに思える問題を実時間で解いています.
これが分子の超並列計算だけに依存しているとは,とても
思えません.


> | リアプノフ指数から導くこともできます.
>
> リアプノフ指数から計算量を導くわけですか?
> この分野は勉強をはじめたばかりなので具体的なやり方が
> イメージできません。ヒントでいいので教えてください。 :-)

計算量というか,ある力学系が,単位時間あたりに生成する
情報生成量です.その分の不確定さを解消するには勿論計算が
必要なので,計算量でも間違いではないですが.

簡単なヒントは,先ほど投稿いたしましたメールをご参照下さい.

ちょっと具体的には,
$K$をKolmogorov-Sinai entropy
$lambda_{i}$を$i$の次元に関するLyapounov exponent
とする時,
$K=int_{M}dx ho(x) sum_{i} lambda_{i}(x)$
$M$は,特定のアトラクタで$ ho(x)$はその上の分布という関係
があります.......

(Complexityに関するばりばりの参考書ではないですが)
私が勉強した文献を挙げれば,
{Rasband, N.S. ed. {it Chaotic Dynamics of Nonlinear
Systems}, John Wiley & Sons, NY, 1990.}
の第9章,Measures of Chaosはわかりやすいと
思います.

この関係の具体的導出過程については,原著を孫引きされる
ことをおすすめします.
{Benettin, G., Galgani, L. and Strelcyn J.M. (1976)
Phsy.Rev. A14: 2338. }

飯田@NEC
--
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.


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