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こんにちは,白倉と申します.
E-cellのお話は実際の細胞の生理学的な性質をシミュレーションするために,
非常に生理学的に慎重に作られたモデルのようですね.
すべての議論についていけるわけではないのですが,ちょっといいたいことが
あります.
生物を理論的見地から眺めるとき,もっと,単純化を進めて,生物の本質を
簡単な言葉で説明する必要があるように思います.
At 11:23 PM +0900 10/4/97, Kouichi Takahashi wrote:
>| > 少々自己紹介をさせていただきますと、僕は慶應大学環境情報学部で
>| > 電子化細胞(E-Cell System)構築の研究をしており、主にシミュレーション
>ただ、E-Cell Systemは根本的には物質の濃度を変数とした連立偏微分方程式
>を数値積分するだけの非常に素朴なシステムでして、遺伝子工学や
>微生物学での応用が念頭に置かています。ですからLIFEで議論されている
>ような系を検証するには少々単純過ぎます。
僕の話をスタートするのは,この最初の発言です.
連立偏微分方程式というところまで,単純化がなされているのであれば,
ここからさらに単純化しましょう.
僕が思うのは,N元連立の反応拡散系の理論として考えることができないか,
ということです.チューリングが最初に述べたヒドラの話は,おもに,その
形態の発生という点に主たる観点がおかれていました.
それ以来,形態形成のモデルとして,反応拡散系が用いられてきたという歴史
はご存じの方が多いと思います.
ここで考え方をかえて,反応拡散系で形成されるパターンを一つの細胞の
蛋白質の活性さらには性質と考えることにしましょう.ことなるパターンを
示すことは異なる細胞の性質を表すと考えましょう.
このような反応拡散系を考えれば,すべてのパターンはチューリング不安定
というひとつの概念で説明できます.動的なパターンも非線型による状態間
遷移と考えることで,その概念のなかにおさめることができるはずです.
さらに,M個の細胞があるのなら,MN元の反応拡散系を考えれば良いということに
なります.この方程式とCellular Automatonの関係は非常に密接なものと言えます
ので,これまでの人工生命などの理論とも関連を持たせやすくなるのではないで
しょうか.
おおさっぱな直感でものを言って申し訳ないですが,複雑な系を複雑なまま
解析するのは冗長な概念を生むだけで,単純性を欠くことになります.
複雑な系をできる限り単純な系に落として考えることこそ,本質を見いだす
ための手段だと思っています.
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<>Jun Shirakura 白倉 準 <>
<>Fukushima laboratory, 福島研究室 <>
<>Department of Systems and Human Science,システム人間系専攻 <>
<>Graduate School of Engineering Science, 大学院基礎工学研究科 <>
<>Osaka University 大阪大学 <>
<>Toyonaka,Osaka,Japan 大阪府豊中市 <>
<>E-mail:sirakura@***.***, sirakura@***.***0.attnet.or.jp<>
<>Telephone:+81-(0)6-850-6523 <>
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