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生命の起源 #362 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
362
DATE
11/14/1997 02:05:52 AM
TITLE
[life:000362] Re: E-Cell
AUTHOR
"Takeshi Ara 荒武 京都大学大学院" <ara@***.***>
BODY


荒@京大農です。

>飯田:大賛成です.特に,膜も劣化したり破れたりしているはずですが,
>   それを,うまいこと維持している代謝系がどんな構造で,どんな
>   振る舞いをするか知りたいところです.現存する細胞は,細胞内
>   で小さな膜胞(Vesicle)をつくって,それを外側までもっていって
>   細胞膜に融合させる形で供給しています.そうした,複雑なメカ
>   ニズム無しに膜が維持されるべき代謝系がありうると思うのです.
>   常々そうした系について詳しく調べてみたいと思っていました.
>   積極的に情報交換いたしましょう.

「膜が維持されるべき代謝系」ですが、形質転換のとき細胞にあいた穴から
DNAがとりこまれ(エレクトロポレーションの場合)、またその穴が修復さ
れたりするのですが、まずはここらへんあたりからでしょうか。ここらへん
は未解決問題でもあるので、よい拡散計算系ができるとよいですね。

リポソーム法では膜の融合で(Vesicleと同じ、外から来るだけ)すが、細
胞内からVesicleがくるときは、途中のゴルジ体から小胞体にもどっていく
分とかもありますよね。細胞分裂のときには膜のリン脂質分子の大幅な増加も
ありますが、内部システムの記述はさておき、こういう増減はうまくシュミ
レートできるのでしょうか?

ただ実際の膜では細胞内からのリン脂質の供給は必須な気もするのですが。
ただ膜の脂質分子(とくに炭素鎖の長いもの)の代謝はまだ代謝マップのよく
わからない部分も多いようです。そういうものは基質分子が水溶性でないため
、生化学的アッセイ系を構築することが困難なそうです。実際は膜内の疎水
領域で酵素反応が起こっているのかもしれませんが、そうしたものはとても
解析が難しいそうです(膜タンパクはその専門家にまかせようといわれる由縁)。


>ECELL serverに専用クライアントで接続する、というシステム設計も
>視野にはいってきました。最近ではPCでも十分動きますがFASTA/BLASTみたいに。

期待しています。

>具体的には物質の濃度勾配の推移が分かり、それが実際とそう変わら

これは実際の実験でもの(特に低分子有機化合物)の推移を見ることは
なかなか大変なので、一度予測系が作られればあとは実験系のデータを
フィードバックして補正して行く形でよいものができればいいなあと思
います。


それでは。

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荒 武 (Takeshi Ara)
京都大学 農学研究科 農芸化学専攻 植物栄養学研究室
Tel : 075-753-6108 FAX: 075-753-6128
e-Mail : ara@***.***
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