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生命の起源 #36 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
36
DATE
09/09/1997 08:54:51 AM
TITLE
[life:000036] Re: What is life?
AUTHOR
"Takeshi Ara" <ara@***.***>
BODY


はじめて投稿します。京都大学農学研究科D3の荒 武といいます。

 少し自己紹介しますと、普段は植物のイオウ代謝の研究をしていますが、
実際は生物種を超えた生命原理に興味を持っています。最近は神経生理や
A-Lifeなどから意識や思考の最小単位といったものに興味を持っています。
定式化の難しい問題ですが、なんとか「生命」のシステムについて記述可能
な形で考えていきたいと思っています。
(専門ではないでのですが、A-Lifeは「人工生命」の略で、実体はコンピュ
ータープログラムです。生物的な特徴を持った挙動をしてくれます。>川村様)

人間の思考のフィルターにかかるとあらゆるところに生命らしさを感じてしま
います。個人的な感覚かも知れませんが、ある恣意的境界で囲まれた物質また
は概念の集合体が、ある限定された時間内でのみ存在し、その間、変化し続け
ている状態は、とても「生命」らしいと感じていました。だからといって微
分方程式を書いても「生命」か?というとなかなか難しいところがあります。
「ある限定された時間内でのみ存在」という部分はなにか意味があるのかもし
れません。


>微小な分解能(水溶液中の平均自由航程程度の長さ,局所平衡の達成に
>必要と予想される程度の時間の分解能)で議論させていただきます.

局所平衡の概念はかなり重要だと思います。とくに生物、と言った場合、
我々は局所平衡のなりたった後のことをよく考えるのではないかと思いま
すが、「生命」という言葉からは、たくさんある様々な非平衡下の状態
(の存在)が重要になってくる気がします。その対象を見る階層の問題
もあるでしょうが、局所平衡後の状態と、非平衡下の状態がセットにな
っているところは忘れてはならないところだと思います。これは代謝
(物質=構成因子の変換ネットワーク)を考えるときにも関わってくる
かも知れません。


>付け加えると、生命の定義としてよく言われる自己増植や生殖も
>生命システムの本質的な契機ではありません。
>これらはシステムの作動によって二次的に発生する現象であって、思考実験と

自己増植や生殖というのは「構成素の産出関係」の一例であり、飯田さんのい
う(ある階層での)代謝に内包されるもの(または派生)と考えてよいので
しょうか?

>構成素を常に産出し続けることで、次の殺那殺那に向かって自分自身
>を産出し続ける、そのようなシステ>ムを可能にする有機構成こそが、
>生命システムの本質的な要件であるということになります。

(人間の意識にとって言葉は構成素として産出し続けないといけないので
しょうか。(ちょっとマクロになってしまったので()でくくりました))

>自分自身が自分自身であることを維持し続ける、つまり生きているわけです。

というのはあらゆる階層においてとても深い意味をもっていると思います。


>電子化細胞(E-Cell System)の構築

とても興味があります。よろしければ別のスレッドでご紹介願えないで
しょうか。


それでは。

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荒 武 (Takeshi Ara)
京都大学 農学研究科 農芸化学専攻 植物栄養学研究室
Tel : 075-753-6108 FAX: 075-753-6128
e-Mail : ara@***.***
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