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生命の起源 #351 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
351
DATE
11/12/1997 02:50:41 AM
TITLE
[life:000351] Re: E-Cell
AUTHOR
"KOUICHI Takahashi-S" <t94249kt@***.***>
BODY


高橋です。


一から説明しなかったため議論に混乱をもたらせてしまったようです。
すみません。

From: Naoaki Ono <nono@***.***>
Subject: [LIFE - No.00349] Re: E-Cell
Date: Wed, 12 Nov 1997 13:10:15 +0900

> たぶんこういうことではないでしょうか?
> >木構造のなかに有向グラフ構造が入れこになっています。
>
> 木構造:
>
> 外部空間O−>膜M−>細胞質P−>ミトコンドリアT
> −>リソソームL
> −>etc.E

微妙に違います。実際にはこうです。


culture
|
-------------
| |
cell environment(culture medium)
|
-------------
| |
membrane cytoplasm
|
------------
| |
chromosome GXSystem[0-n]


GXSystemというのはGene eXpression Systemの意味で、
一つの遺伝子について転写用、翻訳用の二つ存在します。
真核生物になっても細胞内小器官も定義するなどすれば対応できます。

この構造は現状の暫定的なもので、システム側ではどのようなモデルにも
対応できるようになっています。
だから極端にいうと、細胞質内を1000個くらいの領域に区切って
protein localization やdiffusionを考慮に入れたモデルや、
culture 内に細胞を複数作って多細胞や細胞間コミュニケーションの
シミュレーションも、計算量的に現実的ではありませんが、
計算機が速くなれば不可能ではありません。


> 各ノードごとに、そこに存在する物質の値が保存される。

これは構造化プログラミング的な類推ですが、実装の詳細を別に
すれば、本質的にはそういうことです。


> といった反応経路が定義されている。
> また一部の物質が
>
> O.Na+
> |
> M.Na+ (?)
> |
> P.Na+

> のように空間を越えて移動することが認められている...

グラフの構造としては、物質をSとして、反応器をRとすると、

O.S
|
M.R
|
P.S

となります。物質<->物質、反応器<->反応器の結合は許されません。
ここでpathは概ね質量の流れ(flux of mass)とanalogiousです。
# 質量保存則にのっとったルールを書く限り


> 間違っていたらごめんなさい。

概ねお察っしの通りです ^^


> ところで、私がいま一番疑問に思っているのは
> 「(空間)構造の分離がいかにして生まれるのか」という点です。


> そういう中で「代謝によって膜を作る」システムをうまく記述できれば
> 部分系の問題について言えることがあると思うのですが。

そのとおりだとおもいます。拡散ベースのE-Cellも目論んでは
いるのですが、具体的には暗中模索の状態なので、LIFEで
そのような議論ができると非常にありがたいとおもっています。


じゃあ、議論の端緒として:

空間構造を考慮にいれたシミュレーションとして、すぐに考えつくのは
以下のようなものです。

・CA(Cellular Automata)、CML(Coupled Map Lattice)
や有限要素法のようなイメージで空間を離散化して、
計算量的に力づくでシミュレーションする。

E-Cellでいえば先ほど述べた細胞質内を1000個の部分系に分割する手法に
あたります。

この方法の有効度、問題点は何か、この方法以上にスマートな方法は
どのようなものか、というところから皆様の御意見を伺って、議論を
始めたいとおもうのですがいかがでしょうか。



慶應義塾大学s 環境情報学部 (Bioinformatics Lab.) ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
高橋 恒一
_____Kouichi Takahashi t94249kt@***.*** _______


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