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大戸 様
> 生物学を基盤に据え、かつこの範囲からでないのであれば、この仮定は
> 正当だと思います。しかし、代謝系そのものは生体を維持するためのエ
> ネルギー獲得形式における一手法との見方が取れるため、情報科学的な
> 視点を採った場合、この制約はきつすぎると考えられます。コンピュー
> タ上において、各エージェントが生きる(処理を存続させる)ためには、
> 有効な計算割り当て時間の取得(CPUリソースの確保)が必要であり、これ
> を制約条件として構成したティエラなどは、私から見ると、生きている
> システムの要素のなにがしかを持っているのではないかと感じてしまう
> ことがあります。
ちょっと哲学的で申し訳ないですが、重要だと思われるのでコメントいた
します。代謝を生きるためのエネルギー獲得形式といった具合にとらえる
と、良くないです。「生きる」こと、「生きている状態」自体を探そう
としているのですから。
ここでいう代謝は、次のメールで補足させていただく予定ですが、
熱力学量の流れを伴う物質の変化と言った意味でつかっております。
例えば,S. Kauffmanがイメージしているような、それ自体は何の
目的も意味も持たない、物質の変換ネットワークのようなものです。
> > 2.は,複数の種類のシステムが共存できるようにし,自然淘
> > 汰のメカニズムが働くようにします.また,能動輸送系の成立
>
> 同様に「物理的」より、「情報的」境界の方が発展性はあります。蛋白
> 質や mRNA の濃度によって、情報の発現をスイッチする機構があり、こ
> れらは物理的には明確な区切りはなかったと思います(ウォルパートあた
> り)。まあ、最初からこのようにしてしまうのも議論が発散してしまうき
> らいがあるので、どうかとは思いますが ^^;
ウォルパートさんてどんなお仕事をされてる方でしたっけ。
ショウジョウバエの卵の発生関係のお仕事でしたっけ。
無知ですみません。
> > 3.は,生命の能動性を代表するもので,システム内部,シス
> > テム相互に通信,情報伝達基盤を与えます.特にロボティクス
> > からのアプローチで注目されています.
>
> これには異論ありません。ロボティクスだけではないですけれどね。
内心、この辺で異論がでるのでは思っていたので意外です。
飯田一浩
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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