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松野先生 LIFEの皆様
おはようございます. :)
松野先生> 新しい”質”の出現には少なくとも:
> 1)量の変化に後続して新しい質の出現、
> (物理学が得意とする)
> 2)質の変化に後続して量の変化(または、量の保存)
> (興味はあるものの、頼りになるもの目下、なし?)
> の二通りがあそうです。私が気にしているのは、質の変化が先
> 行する方です。それにこだわる一つの理由は熱力学第一法則の
> ためです。(これはエネルギーの保存を主張しながら、更に、
> エネルギーの質の識別能も含んでいます。例えば、仕事エネル
> ギーと熱エネルギーの識別。物理学者も当然識別しますが、、)
> 楽観的に見るなら、第一法則の内に_(I?_ぢを変えて行く潜勢能がある
> や、にも見えます。これから先は、暗中模索。
飯田:
1.エネルギーの等価性について
エネルギーの等価性と変換に質の出現の原因を見いだすという
アイデアは,大変興味深いものです.より,ミクロに見た場合
でも,
H=K+V+M
H:ハミルトニアン,K:運動エネルギー,V:外部ポテンシャル
M:相互作用ポテンシャル
のような分け方が可能で,相互に変換しえます.
通常は,その変換に伴ってエントロピーが生成しますので,
第二法則もまた大きく影響しそうです. :)
2.質的変化と量的変化について
松野先生のこの問いかけについては,異論がございます.
質的な変化が先か?量的な変化が先か?という問題は,鶏,卵の
ロジックで,それを分けて考えると多くの矛盾を生じます.
元にあるのは同じメカニズムであり,それを異なる起点で見ると,
先の議論がでてくくるのではないでしょうか.変化の元になる
メカニズムに注目する方が合理的だと考えております.
3.質的変化の原因について
質的な変化,創発は,新しい次元が生まれるような現象で,
漸進的なメカニズムでは,達成できない.何か特別な
システム構造があるはずだとよく言われ,私本人も
頭を悩ましております.
でも,松野先生のお言葉に触発されて,もう一度科学の現状を
ふまえて考えなおしてみますに,
遺伝子の実体がかなりわかった今,そのシステム構造
は,白日の元に晒されていることに気づきます.
悩んでいる前に,まず遺伝子の進化ステップを,システム論的
に解釈する方が先という気がします.
このままでは,システム論者は,分子生物学者に笑われること
になるでしょう.:)
中学でも習う,染色体の交叉ですら,量子的な形質変化を
生じ得るのですから.
(続く)
飯田@NEC
--
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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