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生命の起源 #202 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
202
DATE
10/21/1997 09:03:29 AM
TITLE
[life:000202] Re: E-Cell
AUTHOR
"Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所" <iida@***.***>
BODY


# 以下は小野さんからのメール全文です.一部通信エラーがあったので
  再送いたします.最後に飯田によるレスをつけます.



高橋様。飯田様。LIFEの皆様。

小野です。

> > | 飯田:ところで,
> > |
> > | 1.電子細胞が,”維持されている状態”というは,どういう状態でしょうか?
> > |
> > | 熱力学的定常状態ならエントロピー生成が指標になりますし,
> > | どの生体物質もゼロでない状態みたいな考えかたもできますよね.
> > | 具体的に教えていただけますか? :)
> >
> 高橋さん> システムとしての厳密な指標は今後整備していきたいと考えています
> が、
> > いまのところ物質の代謝率や反応量(酵素の活性度)等をみています。
> > この方法で問題なのは現在のモデルでは細胞の力学構造を定義して
> > いないので本来力学構造の非可塑的な変化によって細胞の作動が停止
> > するはずの場合には対応できないということです。
>
>

方程式で書かれた代謝系が、適当に振動しながら「定常状態」を保つ。
それが何かの拍子で停止する(複アトラクター間の遷移?)としても、
それだけだと、摂動によっては(必要な酵素をうまく足してやれば)
また元の状態に戻り得るだろう、
といったことではないでしょうか?

そうすると力学構造というのは細胞「膜」とか「骨格」とかいった
物理構造のことになるのかな。
これを方程式に組み込むのはやはり至難ですよね...


/***************************************************************
東京大学総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム系
池上研究室 小野直亮

E-mail: nono@***.***
tel: 03-5454-6833
***************************************************************/


飯田によるレス:


小野 様 LIFEの皆様


小野さん>そうすると力学構造というのは細胞「膜」とか「骨格」とかいった
>物理構造のことになるのかな。
>これを方程式に組み込むのはやはり至難ですよね...

飯田:

そうした構造は,細胞の内部で,できたり消えたりしていますから

1.構造もまた,遷移の結果として(例えば,物質の凝集の結果として)
  書かれるべき

だと考えます.これを,いきなり方程式に書くことは確かに難しいです
よね.それで,私は逆向きの方法をとっています.局所の遷移を書いて,
そこから全体系の方程式に遡る方法です.

2.細胞内の微小構造や,膜を境界条件として書くことは困難である
  ばかりか,ストラテジーとして誤っていると思います.


飯田@NEC
--
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.


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