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動物では、
反芻動物の第一胃に共生している原虫類が繊維の消化を助けたり、
シロアリの共生細菌がセルロースを消化したり
と共生による消化システムが知られています。
なんと植物にも共生による消化システムがあるんですね。
全ての草本、木本植物で調べられたわけではありませんが、松や蘭などポピュラーな
植物の根の周り(根圏と言うそうです)には、真菌の菌糸が常在しており根の能力以
上の水、無機栄養、一部アミノ酸などの有機栄養までが菌糸から供給されているそう
です。真菌は、種々の分解酵素を分泌して有機物を分解したり、無機養分を溶出した
りして吸収し、その一部が根を介して植物に供給されているのです。
特に蘭の根は有名なそうで、蘭菌根菌(※)という真菌が、蘭の根の周囲を覆い、さ
らには蘭の根の細胞質にまで菌糸が侵入して、細胞核の周りを取り巻いています
(http://www.mycolog.com/chapter17.htm (6) Orchid mycorrhizasに写真有
り)。まさに「細胞ダイレクト」に水と養分を供給しているわけです。
(※ランキンコンキンと読みます。蘭の菌根を形成する菌という意味です。サイエン
スジョークではありません)
蘭の方は、そのランキンコンキンを誘う誘因物質を分泌するとともに、真菌の成長を
促進する多糖類?を分泌して根の周りを真菌が住みやすい環境にするそうです。
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Kazuhiro Iida, PhD
Center Researcher, Hayama Center for Advanced Studies,
The Graduate University for Advanced Studies( SOKENDAI ).
Shonan Village, Hayama, Kanagawa 240-0193 Japan
TEL: 81-46-858-1538 ( Yukawa-office )
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