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生命の起源 #1779 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1779
DATE
07/24/2007 06:27:30 PM
TITLE
[life:001779] 養老孟司先生への提言
AUTHOR
"Kazuhiro Iida" <origin@***.***>
BODY


LIFEの皆様

直接ご本人に話をしたわけでは無いのですが、養老先生が「生き物をどう理解する
か」という、面白い文書を書いておられたのを読んでこう思いました。

「養老先生、今後は生命の起原を研究されてはいかがでしょうか?」と。

{ 「ひとと動物のかかわり」−養老孟司編−、147−174頁、河出書房新社
(2005) }

超かいつまみますと、
(我々の脳は本来はそれぞれ違う事物をカテゴライズしてしまう性向があって、いわ
ゆる生物を理解するのも、そのフィルタを通して記述してしまう。これが原因で複雑
なシステムである「生物」の実体を理解できていない。その証拠に150年もの生物
研究の結果、我々は細胞一つも再構成することができないでいる。生き物は時々刻々
変わるもので環境も含めてとことん眺める必要があるのだが、そのような複雑なシス
テムを言葉(カテゴライゼーション、あるいは干物化)だけで記述しようとしている
現代科学の方法では、生物を理解したと言えるようには到底なれないだろう。(養老
先生は)むしろ、つきつめて言うと、そのシステムに我々というシステムが共鳴する
ことで理解するのが良いと思っている。 )
という内容です。

これ耳の痛い話です。私は事物の属性を言葉で書いています(属性を表す時、言葉だ
けでなくそれを表す条件式を示すことはしていますが。)私以外の研究者も、まずは
細胞の構成成分を調べて名前をつけたり、その成分を再構成したりと養老先生が指摘
されている干物化で攻めている人が多いと思います。システムバイオロジーを標榜し
ている方々も、養老先生のいう干物化から逃れられません。私は、その方法で再構成
できると思っているんですが(^^;)。

養老先生の共鳴による理解の視点を取り入れると、生命起原研究の方法論が一つ増え
ると思います。どなたか、養老先生に会われたら生命起原研究に勧誘して下さい。

ちなみに引用した本は、獣医である家内が購入していたもので、引用した頁以外は人
とペットとの関係に関する話題が主です。

飯田一浩


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