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飯田 様
At 12:49 06/02/17 +0900, you wrote:
>大腸菌や枯草菌,ラセン菌だけじゃなく,藍藻(Synechocystis:
>有名なカズサでゲノム解読されたもの)にも細胞骨格あります
>という論文をご紹介.(FtsZ,ZipN,MInCD関連)
>Mazouni, K. etal. Molecular Microbiology Volume 52 Page 1145 - May 2004
> http://www.blackwell-synergy.com/doi/abs/10.1111/j.1365-2958.2004.04042.x
FtsZは細胞分裂のときのリング形成の中心的な蛋白質で、ほとんどの
細菌のほかに、葉緑体、ミトコンドリアの分裂の時のリング形成蛋白質
(ホモログ)です。原核生物の細胞分裂時のゲノムの娘細胞への分配
の分子機構はまだわかっていな部分が多々あるようですが、有糸分裂
ではないけど、なにかにくっついてひっぱられていくというモデルは出来
てきているようです。
細菌の問題点として小さいために、GFPなどで光らせて顕微鏡で観察
しても、真核細胞のようなきれいな細胞骨格の画像を得るのは、大変難
しいということがあると思います。らせん状の図とかは論文がいくつか出
ていますが、細胞全体にいきわたるような細胞骨格蛋白質(形の形成に
寄与するもの)があっても、十分な解像度で観測できない、ということが
あるかもしれません(実際そういうものがああったとしても)。大腸菌でも
50%(2000個くらい)の遺伝子の機能はまだ同定されていませんから、
まだまだいろいろな種類の蛋白質が眠っているはずですが。
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荒 武
TAGC, INSERM
takeshi@***.***
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