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生命の起源 #1632 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1632
DATE
12/05/2005 04:32:14 PM
TITLE
[life:001632] Re: 原生生物ハテナ 見聞録
AUTHOR
"Origin" <origin@***.***>
BODY


荒様 LIFEの皆様

荒さん:
> Arabidopsisの葉緑体、ミトコンドリアのゲノム上には脂質合成経路遺伝子はあり
> ません(一応)。稲には若干機能未知遺伝子はあるけど、基本的な遺伝子は核
> コードだと思います。どちらも分裂装置、内部で必要な酵素とかの膜上の輸送装
> 置も核コードで運ばれてくるはずです。
>
> ミトコンドリア内膜にはカルジオリピン、葉緑体にはスルホキノボシルジアシル
> グリセロール(SQDG)という特異的(他の場所にまったくないかはわからない

> ど特異的と言われている)脂質があります。SQDGは藍藻とか比較した解析があ
> る模様。
> http://wwwsoc.nii.ac.jp/bsj2/bsn/data/2004_4B.htm
>
> SQDG系統の合成経路酵素は一応、葉緑体に局在しているようです。一般的
> に光合成活性に大事であると言われています。
> http://www.gak.co.jp/TIGG/66PDF/Ohta.pdf
>
> カルジオリピン合成はミトコンドリアで起こっていた気がしますが、機能はいまい
> ちわかっていなかった気が。
> http://www.riken.jp/r-world/info/release/pamphlet/annual/2001/
pdf01/362.pdf

飯田:
葉緑体、ミトコンドリアはホストと1次の共生関係をつくっているわけですが、
紹介いただいた文書読みました。

佐藤先生による概説
> http://wwwsoc.nii.ac.jp/bsj2/bsn/data/2004_4B.htm
葉緑体に見つかる糖脂質SQDGやリン脂質PGは、
光合成酵素の立体形状を安定させる役割をになっている。
SQDGはPSII系の酵素複合体
PGは、PSI系の酵素複合体を安定化するらしい。


Ohta先生らによるミニレビュー
> http://www.gak.co.jp/TIGG/66PDF/Ohta.pdf

(1)糖脂質
MGDG(モノガラクトシルジアシルグリセロール)、
DGDG(ジガラクトシルジアシルグリセロール)、
SQDG(スルホキノボシルジアシルグリセロール)
は葉緑体の内膜(チラコイド膜を含む)に特徴的に見つかる脂質
で、葉緑体膜脂質の約90%を占める。
特にMGDGは、全植物細胞の脂質成分の中で最も多い成分である。
ようするに、量が多い。

(2)葉緑体のMGDGの合成遺伝子が、少なくともキュウリでは
核遺伝子でコードされているものの、真核生物の遺伝子とは
相同性が低く、枯草菌や大腸菌など細菌のペプチドグリカン合成酵素
との相同性が高いこと、それから、
MGDG合成酵素はなぜか藍藻の遺伝子には見つからないこと。

(3)上記文書の図3に示されたように、葉緑体が使う糖脂質合成系
には原核型合成経路と、真核型合成経路があること。
合成された糖脂質のほとんどが、葉緑体の内膜で使われるが、
その合成反応は、内膜でなく外膜の包膜で起こること。

どれも意味深ですねえ。

PSI系、PSII系の維持のためにどうしても捨てられない特徴として
膜のidenntityが残っているのか、はたまた、区画をつくるという
構造的な意味でか。。。

飯田一浩

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