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生命の起源 #1578 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1578
DATE
01/29/2005 04:14:33 PM
TITLE
[life:001578] Re: 宇宙のグリシン「検出」報告,否定される
AUTHOR
Masatoshi OHISHI <masatoshi@@***.***>
BODY


飯田様

大石です。

>おおー,...さすが専門誌.挫折しました.
>(早速peak antenna temperature T^{*}_{R}ちゅうのが
>わかりませんでした.)

電波天文をちょっとかじらないと難しいかも。peak antena tenperature
ってのは,要するに,受信した電波の強さ(エネルギー)を温度で表現
したものです。エネルギー=温度×ボルツマン定数ですから。

>ということは,「生成するはずが無い場所ではない」ということですね.
>未知の反応が見つかったといった類ではなく。

宇宙ではどういう反応でできるかは,はっきりいって分かっていません。
既知かもしれないし未知の反応経路なのかもしれません。

天文関係者が想定する反応としては2種類あります。いずれも二体反応
です。星間分子雲の密度は濃くても10^(7-8) cm^(-3),温度は通常は
数10K,高くて数100Kですので,三体反応は無視して構いません。
運動エネルギーが反応障壁を越えるのには不十分なので,

1)イオン分子反応
 反応物の片方がイオン(陽イオン)となっている。もう一方は中性。
この二つが接近すると中性側が分極するので(多くの場合)障壁なし
で反応する。これは気相反応です。

2)星間塵表面反応
 塵表面にガスが吸着し,表面上で反応が進む。表面が触媒的に
働く。できた分子は塵表面に集積するが,星からの紫外線によって
塵が暖まると昇華して気相中に出てくる。

大型有機分子は主として2)が効果的と考えられています。2)によって
できた小型有機分子(CH3OH, H2COなど)が気相に出た後1)によって
大きくなる経路も有効であると言われています。



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