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生命の起源 #155 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
155
DATE
10/09/1997 10:35:51 AM
TITLE
[life:000155] Re: What is life?
AUTHOR
"Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所" <iida@***.***>
BODY


荒 様 LIFEの皆様

こんにちは.

> 飯田>..なら,拡散にかかる時間とか,,そういう統計的な時間でしょうか?
> > それとも,
> > ...
> > 生命は上の階層から見て振動現象として捉えるべきで,
> > その1周期を「寿命」,(時間的境界?)と見るという主張でしょうか?
>
荒さん> 後者のほうです。
>
> たとえば水槽中の魚が死ぬとき、その組織の死、構成タンパクの変性や化学反応
> (アンモニア生成とか/下の階層)、水槽中の生態系の変化(上の階層)は異なる
> 時間スケールで進んで行きますが、このとき個々の因子の「寿命」の「群れ」を
> 時間軸上プロットすると、「時間的境界」というイメージに見えたわけです。

飯田: 了解です.

分子レベル以上の存在になると,合成と分解のバランスが釣り合って
永遠につづくようにも見えるのだけれど,「なぜか」そのバランスがこわれて
なくなってしまう.そういう現象が確かに存在します.

「なぜか」と書いたのは,原因がわからない,つらいという意味です.安易に,

1.非線形系のカタストロフィックな振る舞い(例えば

{Lindgren, K. (1991), Evolutionary phenomena in simple dynamics, In:
Artificial Life II, C.G. Langton, J.D. Farmer, S. Rasmussen, and C.
Taylor eds., Addison-Wesley, Redwood City CA, pp.295-312.}

)で説明したいのですが,階層が入っていることもあって他の原理でもっと
エレガントに説明できる可能性があります.んー,もう少し考えさせて下さい.


荒さん> 「自己の保存/継承/伝達」などを考える時に扱いやすいくなるのではと
思った
> のですが。

飯田:ここで,もしかすると荒さんのお考えを完全に理解するに至ってない
かもしれないと思いました.上の文のイメージを教えていただけるとありがたい
です.




> 飯田>2)時空間スケールτの適合度を評価する.
> >3)そのような検出装置が無数に存在しており,並列に
> >  τの全域をカバーしている.
> >
> >適合度が十分高いことは,そのスケールの時空間構造が
> >存在することを意味し,τ軸上に複数の適合度のピーク
> >があればそれらは,階層的に見えるでしょう.
>
荒さん> しかしここらへんを考えると、「階層」のイメージは「検出装置」に依
存して
> いると考えつき、もう少し考えなおしてみることにしました。しかし離散した
> 「時間スケール」のイメージがあると考えやすいですが。

飯田: 
2.階層が検出装置(思考の助けとして導入したツール)に依存するのは間違い
  ないと思います.

(だからといって,現象を生むダイナミクスは関係ないのでなく,
検出される側のダイナミクスにその素質があってのことだと思っております.)

--
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.


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