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荒@京大農です。
”種”が生命か、ということですが、高橋さんへ向けていえば、新種の発生、
ある種の消滅、種間雑種、雑種致死とかの現象が(まだほとんどわかっていま
せんが)起こる生物の仮想集団に対しては、生命の基礎モデルと同様な挙動が
あてはまるかもしれないということだと思います。生態系の中の部分系として
の”種”ということです(実体があるというイメージ)。
ただし、”種”はEVOLVE-ML(というメーリングリストがあります)などで
もいわれているように、生殖隔離以外にも様々な形質で命名が随時なされてお
り、一般的にみなが納得できるような物理的な検出装置が発見されていない(
と、自分は認識しているのですが)というのが問題点であるかも知れません。
ただし、文字情報群や、辞書も生命たる?ならば問題はないのでしょうが。
(人間の恣意的言語情報そのものが対応する物理現象を伴って(変化しながら
)活動していると考える/そういう意味で使われていないとは認識しています)
「社会システム理論」はすぐには読めないと思いますが、社会学の考え方は
面白いですね(自分にはわかりやすい)。
以下だいぶ以前のレスですが、
> 「それぞれの階層で時間的境界(ソリトン波形のようなイメージ)」を考え
> るという点をもう少し詳しくご説明いただけますか?
>
> 階層に特徴的な時間スケール,例えば,気体分子のスケールなら,一個の分子が
> 他の分子にぶつかるまでの平均時間とか,それらが集まったガスのスケール
> なら,拡散にかかる時間とか,,そういう統計的な時間でしょうか?
> それとも,
> ...
> 生命は上の階層から見て振動現象として捉えるべきで,
> その1周期を「寿命」,(時間的境界?)と見るという主張でしょうか?
後者のほうです。
たとえば水槽中の魚が死ぬとき、その組織の死、構成タンパクの変性や化学反応
(アンモニア生成とか/下の階層)、水槽中の生態系の変化(上の階層)は異なる
時間スケールで進んで行きますが、このとき個々の因子の「寿命」の「群れ」を
時間軸上プロットすると、「時間的境界」というイメージに見えたわけです。
(階層のイメージはこういうものなのですが?)
「自己の保存/継承/伝達」などを考える時に扱いやすいくなるのではと思った
のですが。
ただ、飯田さんが以前いわれたような「生命の境界内部を熱力学的統計量として
表現する」と(自分はまだ構成因子の群れが動いているイメージがあるので)、
こうしたイメージはでない(必要ない)かも知れません。
東大の黒岩先生の「細胞内の葉緑体を1つ1つ分けて単離し、次はその中のDNA
分子を1つ1つわけて分離する」ような研究を見ていると、全て数え上げるとい
う考えにわりとひかれるもので、(溶液中の分子1つ1つを分けるわけにはいき
ませんけれど)「可算」的なイメージからでてきているのかもしれません。
>2)時空間スケールτの適合度を評価する.
>3)そのような検出装置が無数に存在しており,並列に
> τの全域をカバーしている.
>
>適合度が十分高いことは,そのスケールの時空間構造が
>存在することを意味し,τ軸上に複数の適合度のピーク
>があればそれらは,階層的に見えるでしょう.
しかしここらへんを考えると、「階層」のイメージは「検出装置」に依存して
いると考えつき、もう少し考えなおしてみることにしました。しかし離散した
「時間スケール」のイメージがあると考えやすいですが。
それでは。
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荒 武 (Takeshi Ara)
京都大学 農学研究科 農芸化学専攻 植物栄養学研究室
Tel : 075-753-6108 FAX: 075-753-6128
e-Mail : ara@***.***
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