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生命の起源 #147 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
147
DATE
10/06/1997 04:35:19 AM
TITLE
[life:000147] Re: What is life?
AUTHOR
"Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所" <iida@***.***>
BODY


高橋 様 LIFEの皆様


> | 飯田> |個体のスケールでは,自己増殖は生殖は本質的ではありません.
> | > | 種のスケールでは,本質的になると考えます.
> | >
> | 高橋さん> 種と細胞レベルの生命を比較するのは範疇誤謬だとおもいます。
> | > 種は物理的基盤を持つシステムではないうえに、システムであるかど_(I$_ぢか
> | > 自体が疑問です。
> |
>飯田 | 種はシステムでないというのは,私には面白いアイデアです.
> | 簡単で結構ですので,その理由を教えて下さい.
>
高橋さん> 種は抽象観念です。もし種という個体同士の相互作用によって形成さ
れる
> 実体(システム)を仮定したとしても、それを生命として把えるのは無理が
> あるとおもいます。(この場合種というよりも群といったほうが適当ですが)
> もし種を遺伝的実体と把えたとしても、これも観念であってそれ自体は
> 系として成立するのか疑問です。系をなすのは人間の思考の内部ではない
> でしょうか。
........
>飯田 | 私が,修正すべきは”種”という言葉を使ったことです.より正確には
> | 個体の時空間スケールより大きめの時空間スケールで生命と判定される
> | システムがありうるといったところです.
>
高橋さん> 「大きな時空間スケールの生命」とは、例えば細胞に対しての多細胞
生物個体、
> あるいはその両者に対しての地球のようなシステムと解釈しましたが、
> そうだとするとやはりそれらにと_(IA_ぢて自己増植は本質ではないとおもいます。
> もし自己増植しない多細胞生物個体が存在しても(ラバのように不稔性の)
> 依然としてその個体は生命であることに疑いの余地はありません。
> 多細胞生物は細胞の自己増殖に現象的な存在基盤をおいていますが、
> 多細胞生物にとって細胞はシステム自体ではなくその構成素です。
> 構成素の性質からシステム全体の性質を直接は演繹できません。

言われると,「ドキッ」とするのですがやはり生命は,観測のスケール
に依存する概念であって,個体より大きなスケールの生命があり得る
と思います.(もちろん,ここで議論しているのは,物理現象と個体
のスケールの生命の境界です.より大きい,あるいはより小さいスケール
は,放ってあります.)


私は,普遍的な性質を捉えているという意味で

1.生命も抽象概念(客観的に記述できるたぐいの)の一つだと考えて

おります.同じラインで個体としての生命が実在するのならば,”種”に
相当するそれも実在してよくないでしょうか? それで

2.上の”種”や”多細胞生物”に相当する生命があって良いと考えておりま
す.

個体の基準をキチンと書いてみてからの議論になりますが,観察のスケールが
異なるだけで,個体の判定基準とほぼ同じ基準を満たす実体が存在するように思
えます.

ラフな表現で申し訳ないですが,生殖,自己増殖は,”種”に相当するスケール
では,代謝に相当する現象とは言えないでしょうか?”要素としての個体”が,
生成し消滅してゆき,その過程で何かが組織されてゆきますよね.
個体の場合も”要素である生体分子”が生成消滅してゆき,その過程で生命らし

振る舞いが組織されてゆきます.個体スケールで代謝が非常に重要な性質で
あるのと同様に要素としての個体の生成消滅(つまり生殖,あるいは自己増殖)
は非常に重要な性質ではないでしょうか?


ある個体が生命であるか否かを判定する時,我々が観測するのは,代謝や刺激
反応性という個体の寿命のスケールよりは小さな,要素のスケールでの現象で
す.
同様に,上で,生殖あるいは自己増殖というスケールは”種”に相当する存在の
スケールに対しては,要素のスケールの事象です.


高橋さん> ルーマンの社会システム理論での社会は...

興味あります.文献をご紹介下さい.勉強させていただきます.:)

飯田@NEC


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