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生命の起源 #145 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
145
DATE
10/06/1997 03:30:18 AM
TITLE
[life:000145] Re: What is life?
AUTHOR
"KOUICHI Takahashi-S" <t94249kt@***.***>
BODY


高橋です。

| > 飯田| 本質的な契機というのは,生成機構,原理に関することですが,必要条件だけ
| > | 考えてみましょう.
| > | 先に前提の部分で,生命はそれに特徴的は時空間スケールがあると
| > | 述べました.個体のスケールでは,自己増殖は生殖は本質的ではありません.
| > | 種のスケールでは,本質的になると考えます.
| >
| 高橋さん> 種と細胞レベルの生命を比較するのは範疇誤謬だとおもいます。
| > 種は物理的基盤を持つシステムではないうえに、システムであるかどうか
| > 自体が疑問です。
|
| 種はシステムでないというのは,私には面白いアイデアです.
| 簡単で結構ですので,その理由を教えて下さい.

種は抽象観念です。もし種という個体同士の相互作用によって形成される
実体(システム)を仮定したとしても、それを生命として把えるのは無理が
あるとおもいます。(この場合種というよりも群といったほうが適当ですが)
もし種を遺伝的実体と把えたとしても、これも観念であってそれ自体は
系として成立するのか疑問です。系をなすのは人間の思考の内部ではない
でしょうか。
ルーマンの社会システム理論での社会はオートポイエティックシステム
=生命であるという主張がありますがこのような把え方はまだ吟味中です。


| 私が,修正すべきは”種”という言葉を使ったことです.より正確には
| 個体の時空間スケールより大きめの時空間スケールで生命と判定される
| システムがありうるといったところです.

「大きな時空間スケールの生命」とは、例えば細胞に対しての多細胞生物個体、
あるいはその両者に対しての地球のようなシステムと解釈しましたが、
そうだとするとやはりそれらにとって自己増植は本質ではないとおもいます。
もし自己増植しない多細胞生物個体が存在しても(ラバのように不稔性の)
依然としてその個体は生命であることに疑いの余地はありません。
多細胞生物は細胞の自己増殖に現象的な存在基盤をおいていますが、
多細胞生物にとって細胞はシステム自体ではなくその構成素です。
構成素の性質からシステム全体の性質を直接は演繹できません。


慶應義塾大学s 環境情報学部 (Bioinformatics Lab.) ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
高橋 恒一
_____Kouichi Takahashi t94249kt@***.*** _______


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