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飯田様
荒@慶應です。
ベンター氏がどのようなゲノムセットでどのような細胞
>をつくるかも知りたいところではありますが,それ以上に
>ミニマムという言葉にそそられてます.
ミニマムゲノムは結構はやり言葉で,実際遺伝子工学的手法でゲノムを小さくするプロジェクトは
少なくとも日本,韓国、アメリカ,などでやっています。実は私もちょっと関わっています.遺伝子
の個数の問題は,マイコプラズマやブフネラなどが500個程度ですが,寄生性のためかなりの
遺伝子を落としていて,ブフネラなどは膜の脂質合成ができません。256個説が昔ささやかれました
が、1000個くらいじゃないかなというのが今のとこいい感じではないでしょうか(独立栄養細胞
としては)。最小遺伝子セット予測の論文もでていますが、実際どうなのでしょうね。遺
伝子をどんどん削って減らしていくというメソッドをトライしているところがおおいですが、2個や3個
ならともかく100個もぬくのもまだ聞いたことがないです。一方付け足すのは何100個もいれた
、という話はあるのですけどね。たぶんベクター構築の大きな版として、少しずつ地道にやってい
くのかな、と思いますが.
>ベンター氏らは,マイコプラズマのゲノムが,既知生物の
>中で一番小さいという意味で用いているのだと思います
>が,「生命に必要な最小の」という意味で使っていると
>すると,これは物質進化の研究とも関わってきますね.
そうですね。代謝経路の進化の話もからんできますし。酵素の基質特異性が甘ければ,より少ない
数でいいわけですし、そうした解析も(たぶん結構大変そうですが)かなり大事だと思います.
遺伝子からではなく、「どのような物質を代謝している場所(プール?)なのか?」みたいな見方
での整理を進めることは結構大事かもしれませんね。
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荒 武
慶應義塾大学 先端生命科学研究所
takeshi@***.***
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