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生命の起源 #1400 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1400
DATE
06/14/2002 05:27:25 PM
TITLE
[life:001400] 時間遅れの問題など
AUTHOR
Kosaku Inagaki <inagaki@***.***>
BODY


飯田 先生

> ベルトコンベアの端に物を載せて,反対側で受けとるような
> 純然たる時間遅れがあると,系を安定に保とう(ホメオスタシス)としても
> 行き過ぎが起こって系が不安定になりやすいように思えます.そうした
> 不安定さを生物が使っていないだろうか?と思ったのが発端で,

これは非常に重要な問題だと存じます。

時間遅れがクリティカルになる問題は、自動制御理論の
本などでよく議論されています。

私の対象とする興味の中心は、ニューラルネットワークが
カオスにならないですむかという問題です。
?積極的にカオスにする「ニューロカオス」の研究者
?脳型をやっているが、カオスになるので困っている研究者
などがおられます。

私はカオスではなく、カオスの縁の側ですので、安定化させる方に
興味があります。ある条件を使うと、カオスにならないですむことを
証明しました。ただこういう実用的な定理にかぎって、なかなか
外へ発表せずに、自分のところだけで使っています。今は
未発表という段階ですみません。

おそらく生体ではカオスの側も使っているだろうと思います。
ただ生物を使った実験をやらないもので、私の手には負えません。
コンピュータで漢字認識という実験をやらせていますが、
今のところカオスが有効だというデータは得られていません。
(JIS第1水準の漢字認識で10万文字エラー0が現在
われわれのところのトップ—データです。ただし実験室レベルで、
まだ実用にはなりません)
というか、カオスを押さえ込んだままの実験をしていますが…。

> 津田一郎さんが,4?5年前,非線形写像と論理関数の関係について
> 研究されてたのを思い出しました.(稲垣さんのお仕事とはだいぶ毛色が違うよう

> 思いますが,どこかで関連しているかもしれません.)

どの研究か存じません。津田さんのご研究は過去に
いくつか、それでよいのかなと思ったことがあるもので、
あまり参照していません。

noise induced order……カオスにノイズを乗せると、
秩序の側に移動するというご研究ですが、カオスでない側に
近いところにあったカオスを対象にしただけでは?

カオス的遍歴……藤坂博一先生らの「オンオフ間欠性」が
先に発表されたご研究で、比較的知られていたと思います。
日本物理学会誌にも解説が載っていますが(1996年)、
ご存じなかったのでは? このごろはカオス的遍歴を
聞かなくなったように思います。

他の方のご研究は、私にもわからないところがありますので、
よくご存じの方がお教えくださいましたらと存じます。
上記は単なる誤解かもしれません。

〒606-8501
京都市左京区吉田本町
京都大学 情報学研究科
稲垣 耕作
E-mail: inagaki@***.***
URL: http://inagaki1.kuis.kyoto-u.ac.jp/~inagaki/
TEL/FAX 075-753-5978
*ホームページが微妙に移動しました

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