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生命の起源 #1135 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1135
DATE
02/16/2000 01:23:28 PM
TITLE
[life:01135] Re: catalytic efficicency of peptidase
AUTHOR
mita@***.*** (Mita, Hajime)
BODY


光澤様、飯田様、Lifeの皆様

筑波大化 三田です。

自分は、前生物的なペプチド合成の研究を行っており、

> モデルの説明:
(略)
> 理的には無数の反応が起こるが、
> そのうち一部の反応では、系内のあるペプチドが触媒Eとして働く。
A + B  -(E)−>  C + E (この行は一部改変)   式あ
        I<-------I

のような系が、できればいいなと思って研究を進めております。ですから、面白そう
な研究だなと思います。

ただ、自分の立場からすると、
式あ となるような Eが存在する時、ない時より、とにかく 生成量(C+E)が
増加すれば、触媒作用がある系が見つかったとするでしょう。(Nがいくら小さくと
も0より大きければ、ということになります)
ここで、問題になるのは、ほんのちょっとでも生成量の増加(触媒作用:こう呼んで
良いのか疑問がいろいろな意味で残りますが)が見られれば、意味あることと考えて
良いかと言うことです。
そこで、光澤さんなどのような研究をやっている人に期待するのは、 「Nがxxよ
り大きい条件で 式あ が起これば、 式い、う、え、お、、、 が可能となり、生
命(あるいは、それに近づいたもの)への道筋が描けますよ。そのNや式い、う、え
、お、、、とは、こんなものですよ。」と、提案してくれることなのですが。(Nの
価値判断の基準作りとでも言えば良いと思います。)

このように考えている自分には、未知の反応のNを文献から決めることの意味、そし
て、この反応だけで、何を議論したいのか、わからないのですが。どうか、教えて下
さい。

また、なぜ以下で逆反応を気にしているのでしょうか? 飯田さんがLife01134で、
言われるように 平衡論の議論なのでしょうか?それとも、速度論の議論なのでしょ
うか?平衡論であれば、触媒という概念は取り込めないと思うのですが。

> 反応速度は、一番簡単に反応物と触媒の濃度の積で定義する。
> つまり、逆反応について考えると、非触媒の場合その反応速度を
> Vu = kr*C
> 触媒ありの場合、
> Vc = (1 + N*E)*kr*C
> とする。
> 但し、上の2つの式で、C,Eはそれぞれの濃度を表す。
> krは速度定数。
> Nを触媒効率と定義する。
> つまり、本モデルでは、触媒ありの場合、触媒なしのときに
> 比べて反応速度がN*Eの項だけ倍増するとしています。
> (モデルの説明終り)
>
> 問題は、Nはどれ位の値が妥当なのかです。
> 私の研究では触媒として長さ10以下位のペプチドを
> 想定しているのですが、まずは、上限を決めるという意味で
> データの豊富なペプチダーゼの場合のNについて考えたい訳です。

最後に、kcat,Kmと同じ反応条件で求めたkrでないとまづいでしょう。たとえば、
普通のペプチドの酸加水分解ではペプシンなどよりもはるかに効率的に加水分解しま
す。適当なタンパク質に酵素を入れた試験管と入れない試験管を用意して、適当な時
間毎に分析すればすぐに光澤さんの求めている数字は得られるでしょう。ただし、多
分、ペプシンなどの一般的な活性測定方法では、酵素なしの系は相当に長時間反応さ
せないと数字に現れた変化にならず、x:0になってしまうのではないでしょうか。

> 私の調べたところ、ペプシンなどについてはkcat,Kmの値が
> ありまして、基質の濃度がKmより十分小さいときには反応速度は
> (kcat/Km)*[触媒の濃度]*[基質の濃度]
> なので、上式で 1<<N*E と仮定すれば、モデルのN*krと
> 実験データのkcat/Kmが対応します。
> あとは、krの値、つまり、非触媒のときのペプチドの分解速度
> のデータがあれば、Nが求まると考えています。

> しかし、このデータがなかなかないので困っているのですが、
> 川村先生のご助言通り、ペプチドの酸、アルカリ加水分解あたり
> の論文を調べてみることにします。
> データが見つかったら、また、御報告させていただきます。

以上、実験屋からのコメントまで。
文章を書くのは面倒なので、途中でわかりにくい文章になりましたが、勘弁して下さい。

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三田 肇 MITA, Hajime

筑波大学化学系宇宙化学研究室(下山研)
305-8571 茨城県つくば市天王台1−1−1
Tel : 0298-53-4134, Fax : 0298-53-6503

Department of Chemistry, University of Tsukuba
Tsukuba, Ibraki 305-8571, NIPPON (Japan)
Tel : +81-298-53-4134, Fax : +81-298-53-6503

E-Mail : mita@***.***
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