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生命の起源 #1131 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1131
DATE
02/15/2000 06:56:19 PM
TITLE
[life:01131] Re: catalytic efficicency of peptidase
AUTHOR
Mitsuzawa Shigenobu <mituzawa@***.***>
BODY


川村先生、荒先生、飯田先生、

ご相談にのって頂き有難うございます。

前回の投稿では問題点が不明瞭でしたので、
私が自己触媒系のシミュレーションで使っているモデルを使って、
問題点を説明させてもらいます。

モデルの説明:
反応は、2つのペプチドA,Bが結合して長いペプチドCができる
正反応と、Cが切断してA,Bになる逆反応の対とする。
A + B <-> C
いろんな長さと配列を持つペプチドが関わる反応を考えると、
理的には無数の反応が起こるが、
そのうち一部の反応では、系内のあるペプチドが触媒Eとして働く。
A + B + E <-> C + E
反応速度は、一番簡単に反応物と触媒の濃度の積で定義する。
つまり、逆反応について考えると、非触媒の場合その反応速度を
Vu = kr*C
触媒ありの場合、
Vc = (1 + N*E)*kr*C
とする。
但し、上の2つの式で、C,Eはそれぞれの濃度を表す。
krは速度定数。
Nを触媒効率と定義する。
つまり、本モデルでは、触媒ありの場合、触媒なしのときに
比べて反応速度がN*Eの項だけ倍増するとしています。
(モデルの説明終り)

問題は、Nはどれ位の値が妥当なのかです。
私の研究では触媒として長さ10以下位のペプチドを
想定しているのですが、まずは、上限を決めるという意味で
データの豊富なペプチダーゼの場合のNについて考えたい訳です。

私の調べたところ、ペプシンなどについてはkcat,Kmの値が
ありまして、基質の濃度がKmより十分小さいときには反応速度は
(kcat/Km)*[触媒の濃度]*[基質の濃度]
なので、上式で 1<<N*E と仮定すれば、モデルのN*krと
実験データのkcat/Kmが対応します。
あとは、krの値、つまり、非触媒のときのペプチドの分解速度
のデータがあれば、Nが求まると考えています。

しかし、このデータがなかなかないので困っているのですが、
川村先生のご助言通り、ペプチドの酸、アルカリ加水分解あたり
の論文を調べてみることにします。
データが見つかったら、また、御報告させていただきます。


光澤
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