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生命の起源 #107 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
107
DATE
09/24/1997 01:25:45 AM
TITLE
[life:000107] Re: What is life?
AUTHOR
"Takeshi Ara" <ara@***.***>
BODY


荒@京大農です。


>1.生命の相と相転移の話
>
>うれしいです.ただし,この相は物性でいうような静的,
>もしくは定常的な相ではなくて,動的な相なので,あくまで
>アナロジーとしての相転移です.既存の統計力学の枠組みを
>そのまま適用することはできません.新しい視点が必要です.

> 7.上位階層から見た自己組織,自己崩壊過程と「持続」の関係
>
> > 「持続」は「系の生成、崩壊というものの時間的表現」との関連で考えられて
> > いくものだと思いますが、とりあえず
>
> この視点は,とても新鮮な視点です.
>
> 「系の生成,崩壊は上位の系で見たとき代謝」だという視点と併せて考えると,
> 「持続」という時間は,なんとなく,一つ上の階層の系に特徴的な時間スケール
> に属するように思えてきました.

イメージとしては、以前いわれた「数の論理」や「構成要素の濃度」
が、検出、自己組織化、自己保存といった流れにいく道筋に見えます。
検出可能な部分系の発生は何らかの形で記述できると期待しています。

「生命の相と相転移」については飯田さんの生命システムの最低条件

>1.代謝系である.
>2.物理的境界で区切られた部分系である.
>3.センサ,プロセッサ,アクチュエータ構造を持ち,刺激に
>  対して反応する.

に、
4.時間的境界で区切られた部分系がある.

を加えてはどうかと思います。これは生成とも関わる問題ですが、自己崩壊
を上位の代謝としてとらえるとき、構成要素の代謝の関係の関係...と階層
化したとき、それぞれの階層で時間的境界(ソリトン波形のようなイメー
ジ)というものを下位またはその層の構成要素(または自己:部分系)に
対して考えられれば、考え方がすっきりする気がするのですが。ただし、
生命システムの寿命というのは難しいので、ある部分系の寿命、という観
点でしかまだ考察していません。微小時間での最小システムに必要かどうか
わからないのですが、もしもエントロピー生成の停止といったことを考える
ときに、時間的な幅が存在してくるのなら、わりと基本的な性質として加え
てもよい気がします。1.の代謝の定義と重なっている部分もあるようでがど
うでしょうか。

詳しくはRe: Material is not primitive things for Lifeのほうに自己
保存とのからめてまた投稿します。


>3.物理的境界と散逸の話
>
>.エントロピーの生成量がもともと多いもの少ないもの,
>.出入りの禁止によって,早くエントロピー生成が急激に0に
> 近づくもの,長い時間エントロピー生成が止まらないもの,
>4通りの組み合わせが考えられますが,
>
>エントロピーの生成量がもともと多くて,
>出入りの禁止によって,急速に0に近ずくものが一番
>代謝系らしいように思えます.つまり,内部に熱力学的
>ソースが存在しないらしいことがわかるからです.
>(もう少し精密な議論にする必要がありますが.)

この分類はよいと思います。


>4.物理的境界の話
>
> このClosureを,数理的に記述しよう,もしくは計測装置によって検出しよう
> と考えてみて下さい.どのような手段が考えられるでしょうか?

苦手な集合論のほうから持っていく方向を少し考えていますが、まずは据え
置きしておきましょう。(特に検出はまだとても難しそうです。)


> 4.階層構造の話
> (略)
> 繰り返し等を考えなければ階層構造は,統計力学の最重要課題でもある
> わけで....なんにしても階層的構造が融通無碍に生じたり,消えたり
> するような生命システムの場合,これで万事OKという記述の枠組みはまだ無
> いと思います.

わかりました。


> 5.自己崩壊過程の話
> (略)
> 問題は,ここでいう「全体系の代謝」を我々は全て知ることができる
> とは限らないことです.
>
> 1)数理モデルの世界なら全体系を全て知っているものとして
>    記述できます.
> (略)
> ( 私は全体の見方で記述しようとしているつもりです.)

全体系から下位の構造を決定してゆけるような形での数理モデルの世界は
標的としてよいと思います。


それでは。

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荒 武 (Takeshi Ara)
京都大学 農学研究科 農芸化学専攻 植物栄養学研究室
Tel : 075-753-6108 FAX: 075-753-6128
e-Mail : ara@***.***
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