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飯田さんならびにみなさまへ
中川＠KITです。
In message "[life:01064] mitchondria moves like bacterium",
Kazuhiro Iida wrote:
>初期進化の話題．
>
>Science 284:1916-1917にミトコンドリアが細菌と
>同じ機構で動くという記事が載っています．
>ミトコンドリアは，細胞分裂の時，アクチン繊維に
>よって娘細胞に運ばれますが，運ばれるというより
>ミトコンドリア自身が持つ酵素（Arp2/3）で，その背後にアクチン
>繊維を形成しつつ動いてゆくらしいことが報告されて
>います．
>
> -- -
> ---------○□ →
> − --
>
>--はアクチン，□はミトコンドリア，○はArp ，→は運動方向
>
>
>これは，リステリアという細胞内侵入性の病原菌が，
>その背後に細胞内のアクチンを重合させながら細胞質
>中を運動して，次の細胞に感染する時に使われる機構
>とほとんど同じです．
>
>＃ しかしこういう見方もできるかもしれないです．
>＃ 本来細胞は，アクチンの重合でオルガネラを運動
>＃ させる機構を持っていて，リステリアはそれを流用し
>＃ ているのかも．
細胞内オルガネラではありませんが、培養細胞や細胞性粘菌が
移動する際に形成する仮足が伸展するための力はアクチンの重
合によって発生していると考えられています。また、その制御
も Arp2/3 複合体によってされていると考えられています。
＃ちなみに Arp2/3 は酵母（分裂、出芽もとに）にもあります。
したがって、飯田さんのおっしゃるように真核細胞はほぼ普遍
的にアクチンの重合で力を発生させる機構を持っていて、リス
テリアはそれを流用しているだけなのでしょう。
専門に近かったのでつい反応してしまいました。
進化とは関係ない話題でごめんなさい。
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中川 裕之
九州工業大学 情報工学部 生物化学システム工学科
820-8502 飯塚市川津680-4
E-mail: hiro@***.***
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