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生命の起源 #102 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
102
DATE
09/22/1997 05:16:01 AM
TITLE
[life:000102] Re: What is life?
AUTHOR
"飯田一浩" <iida@***.***>
BODY


荒 様

興味深いご指摘ありがとうございます.
ざっと見て,以下の7つの点に関してご指導いただいたと
存じます.

1.生命の相と,相転移の話
2.非平衡統計熱力学の話
3.物理的境界の話
4.階層構造の話
5.自己崩壊過程の話
6.情報における散逸の話
7.上位階層から見た自己組織,自己崩壊過程と「持続」の関係

一度にお返事できませんので,小分けにいたします.

まず,

1.生命の相と相転移の話

> > しゃるように,他の相とは質的に異なる相,生命の相というものが
> > あるようです.つまり相転移的な質的な変化が物質と生命のシステ
> > ムをわけているようです.ここでの議論は,この転移点を定位して
> > ゆく作業であると言い換えることもできると考えます.
>
> その通りだと思います。

うれしいです.ただし,この相は物性でいうような静的,
もしくは定常的な相ではなくて,動的な相なので,あくまで
アナロジーとしての相転移です.既存の統計力学の枠組みを
そのまま適用することはできません.新しい視点が必要です.
(外部からの観察を陽に書くことは,その第一歩だと考えて
おります.)


2.非平衡統計熱力学の話

> > .ρ(t)が決まるということは,システムの構造が同定されたこ
> > とに相当します.そういうストーリーです.
>
> 存在領域内部を統計量で表現するという考えはおもしろいです。
> 自分も検討してみます。

上のρは,統計力学でいうρと同じです.
参考文献としては,
{ Zubarev, D.N. (1974), Nonequilibrium Statistical Thermodynamics,
Studies in Soviet Science, Consultants Bureau, NY.}

が良いです.古い本なので,大学の図書館あたりでないと手にいらない
かもしれません.(「ズバレフの非平衡統計熱力学」上下
という久保先生監訳の訳本が丸善からでているそうです.)

(続く)

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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.


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