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荒@京大農です。
レスはかなり前後しています
> しゃるように,他の相とは質的に異なる相,生命の相というものが
> あるようです.つまり相転移的な質的な変化が物質と生命のシステ
> ムをわけているようです.ここでの議論は,この転移点を定位して
> ゆく作業であると言い換えることもできると考えます.
その通りだと思います。
> 誰もがやっている認識の過程を陽に書いただけです.粒子やエ
> ネルギーの分布を外から観測して,ある条件を満たすものが生
> 命(の存在領域D)として検出されるということです.その条
> 件こそ,ここで議論しようとしていることです.Dが決まると,
> D内のシステムの振る舞いを規定する統計量ρ(t)が決まります
> .ρ(t)が決まるということは,システムの構造が同定されたこ
> とに相当します.そういうストーリーです.
存在領域内部を統計量で表現するという考えはおもしろいです。
自分も検討してみます。
検出条件としての
>4.その部分系からの物質,熱力学量の出入り禁じた時,
> 散逸が停止するか?
はよいと思いますが、
>もし,部分系の内部に1次のソースがなければ,出入りを
>禁じること(閉鎖系化)することで,系は平衡状態へ向か
>うことになり,散逸が停止するはずです.もちろん,完全
ここで「平衡状態へ向かう」と「散逸が停止」は同時並列的関係で
すよね?「系は平衡状態へ向かうことになり,」
をとってしまったほうがよりわかりやすいのでは?
>1.実測による検証に用いる条件(手順的な判定基準)と,
> 生命の必要条件を表す数理モデルをつくるのに用いる
> 条件(数理的な判定基準)を一緒に議論していること,
>
>2.「別種の物質の生産」,「持続」という
> 曖昧な言葉が使われていること,
> (特に「持続」が曖昧である)
>
>ことに気づきました.
>
>ご指導いただければ幸いです.
(1)
2.物理的境界の場合のように、
「一般にいう事物 Entity,あるいは Closureを記述する枠組み」
「検出可能な境界を記述する枠組み」
(1)「物理的境界を記述する枠組み」
(2)...
のようにわけて考えて行けばよいでしょう。熱力学量の出入り、といっても
> D内のシステムの振る舞いを規定する統計量ρ(t)が決まります
のような表現は「一般にいう事物 Entity,あるいは Closureを記述する枠組み」
を考えていく礎にもなりうると思います。
(2)
「流入したのと別種の物質の生産が見られるか?」→
「それ以前に流入したものと別種の物質が見られるか?」
これは「時間軸上において、構成因子集合の相転移点が存在している」
という文と関連してくることでしょう。物質を構成因子とかにかえれば
一般化も簡単にできますね。
「持続」は「系の生成、崩壊というものの時間的表現」との関連で考えられて
いくものだと思いますが、とりあえず
「部分系の中に持続的に散逸が見られるか?」→
「部分系の中に(その存在期間中に)散逸の時間的関数が見られるか?」
としてみました。部分系の存在期間というものは任意の恣意的な領域では
定義が難しいかもしれませんが。
(散逸:物質やエネルギーがその系から失われる現象)は情報系ではある
領域内の構成因子を消す処理(0に初期化?)に対応させられますかね。
> 生物界全体を統べる法則はあるのでしょうか?意味としての相互作
> 用と相互進化(赤の女王仮説に近いかも)および、下位階層構造の自
> 己組織(崩壊)ダイナミクスと、これをその上位の階層ではシステム
> 内に取り込んでいくメカニズムが働いているようで、多分にフラク
> タル構造を取っています。よろしければ、この点からのアプローチ
> をスレッドを分けて論じようと思います。
ある階層において、下位階層構造と上位階層構造が存在していること
は、生命の静的な意味での定義に関わると思います。高橋さんの「還元性」
の場合でも、あわせて3つの階層のセットは重要な意味があるように感じます。
最近はやりの「複雑系」でも階層の概念は重要なようですが、数学的な定式化
はどの程度進んでいるのでしょうか?あまり話が聞こえてこないのですが。
> 階層構造,再帰的構造は,単純な再帰式で書ける場合があります.
> そういった再帰式もシステム構造の一つです.
ということで安心していてもよいのでしょうか。
> > 自己崩壊過程はより上位の階層から見ると代謝(構成要素の変換
> > ネットワーク)のなかに含まれてしまいますね。
> この視点は,なるほどと思いました.新鮮です.
例えば植物では古い葉が落ちるとき、内部の栄養素(というか再利用
可能な元素)が何らかの分子の形で新しい葉(組織)へと移動(転流
といいます)していきます。古い葉の自己崩壊過程は植物個体にとっ
ては代謝(生物的意味でも)になっています。植物個体の自己崩壊過
程はその存在近傍(ローカルな生態系)の代謝(構成要素の変換ネッ
トワーク)になっています。元素を主体に考え、その土地や地域レベ
ルでの元素の収支を考える(人間の収奪もある)ような研究をやって
いる人もうちにはいます。恒星の爆発によってできた星間物質はやが
てなにかに変換されたりしますし、本論ではないですがこういう考えは
古くからあります。
こうした系の構成要素の移動の概念を個体の知識=保有情報という形で
展開していくと、どこかに面白い(というかわかりやすい)構造がみつ
からないかなと考えています。
> > これは、DNAの情報が絶対ではなく、その場におかれた環境によって
> > ダイナミックにシステム自らが変更していっているという、良い見
> > 本と考えています。
>
> その変化(変異)が何によってもたらされたかを考えると,生命後の
> 選択淘汰,進化の結果とは考えられませんか?そういった現象を絶対
> 忘れないで,しかも,極力省くようにすることが起原へさかのぼる
> ことではないでしょうか?
「系/構成要素の生成、崩壊というものの時間的表現」
> システムの振る舞いを規定する統計量ρ(t)
あたりの整理からせめていけませんか?
それでは。
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荒 武 (Takeshi Ara)
京都大学 農学研究科 農芸化学専攻 植物栄養学研究室
Tel : 075-753-6108 FAX: 075-753-6128
e-Mail : ara@***.***
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