生命の起源フォーラム (ORIGINS OF LIFE FORUM) - help
生命の起源フォーラム (ORIGINS OF LIFE FORUM)
Welcome to 生命の起源フォーラム (ORIGINS OF LIFE FORUM) - help -
生命の起源 #1008 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1008
DATE
03/03/1999 10:49:09 AM
TITLE
[life:01008] NK システム
AUTHOR
Masayuki HIRAFUJI <hirafuji@***.***>
BODY


平藤です。

Kauhiro Iida-san wrote:
>.既存の研究を間接度とか,伝達される情報の複雑さの指標に
>ついて眺め直してみるとのがてっとりばやいかもしれません.
>例えば,人工生命ででてくるハイパーサイクル間の競争とか..
>KauffmanのNKシステムとか...

>平藤さん> 汎化能力評価のための学習サンプルは非常に意地悪
>>な問題のため3層のネットワークでもめったに学習に成功し
>>ないんですが,もし大きな階層数で学習に成功できれば,汎化
>>能力が高くなるかどうかの確認もできます。
>
>飯田:
>中間層が2層ある多層型NNは,ほぼ全ての連続関数を良い精度で
>近似できるという証明の論文があります.

「中間層が2層ある多層型NNは,ほぼ全ての連続関数を良い精度
で近似できる」という潜在能力がありながら,5層とか6層に
なって来ると適切なNNをBP(Back Propagation)で見つけだすこと
がなかなかできないのです。
例えば,当時ATRのグループが砂時計型NN(6層程度の多階層NNの
第4層あたりの中間層のユニット数を2,3個にしたもの)を使
うと絞られた中間層のユニットに高度に汎化された概念が抽出さ
れるというおもしろい結果を出していましたが,彼らも「滅多に
学習に成功しない」といっていました(アプリケーションでは至
る所でBPモデルの限界が認識されていた訳です)。

KauffmanのNKシステムもしかりで,「高い自由度(間接度)のシ
ステムが持つ膨大な選択肢のなかから妥当な時間内で最適解を見
い出す」という問題が残されたままのように思われます。GAで
そこそこに使える局所最適解がたくさんあるのでそれで十分!と
いう言い訳的解釈では,「生命の起源」のような現象を考えてい
る研究者は納得しがたいんじゃないでしょうか。
実は僕も最初は,局所最適解でも”経験的”には十分!と感じて
ました。ところが,環境制御下での植物実験や種々雑多な現実的
問題に取り組んでいるうちにだんだん”経験的”に不十分!と感
じるようになりました。

あるモデルが出ると期待感でフィーバーし,やがて冷めてゆく,
といういつものサイクルからいうと,GA(KauffmanのNKシステ
ム)は3年前のA-Life V(奈良で開催された会議)の時点で既に
冷却段階に入っていたという印象を受けました。



Masayuki HIRAFUJI (hirafuji@***.***)
Computational Modeling Lab.(http://model.narc.affrc.go.jp/)
NARC Tukuba 305-8666 Japan
Phone:+81-298-38-8986 FAX:+81-298-38-8551
-----
Go to page top