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飯田様 
 
木下大輔です。 
 
>> > TNO は Trans-Neptunian Object の略で、軌道長半径が 30 AU よりも大きな 
>> > 太陽系内の小天体を指します。 Centaur は軌道長半径が 5 AU から 30 AU の 
>> > 天体を指します。 
>> まず,AUが解らなかったので,調べますと 
>> 天文単位 AU 1.4960×10^11 m (凄い距離ですね) 
>> TV世代にファミリアな光年 ly 9.4605×10^15 m よりは短いようですが. :) 
 
断りなくいきなり使ってしまい申し訳ありません。 
 
1 天文単位は太陽・地球間の距離です。太陽系のなかで距離を表す際によく用 
いられます。 
 
星と星の距離が光年で表すとちょうどいいくらいの距離だと思います。ですが、 
光年よりもパーセクの方がよく使われると思います。 
 
>> > ちょっと不正確ですが、海王星よりも遠くにいる小天体を TNO と呼び、木星 
>> > から海王星の間にいるような天体を Centaur と呼ぶと考えるといいと思いま 
>> > す。 TNO はカイパーベルト天体とも呼ばれます。 
>> カイパーベルトというと,彗星が生まれるところ,太陽系誕生時代の名残りと 
>> いうことで生命起原にも関係のありそうな天体ですよね. 
>> 天文学的な分析によって,生命起原についてはどんな情報が得られそうですか?  
 
カイパーベルトから探る生命の起源ですか? それはまだ難しいと思います。カ 
イパーベルト天体は遠方にあるため非常に暗く、表面の化学組成に迫るような 
観測は大望遠鏡をもってしてもいまだに困難です。冥王星や海王星の衛星の 
Triton の表面には CO, N2, CH4 の氷が検出されていますし、冥王星の衛星の 
Charon やカイパーベルト天体の 1996 TO66 には H2O の氷が検出されていま 
す。ですが、まだその程度です。有機物の観測はまだまだこれからだと思いま 
す。 2004 年に打ち上げられる赤外線天文衛星を使って氷衛星の表層物質の組 
成を明らかにしたいと思っています。 
 
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木下大輔 
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