LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1380
DATE
05/16/2002 04:51:18 PM
TITLE
[life:001380] Re: Determination and Estimation of the history
AUTHOR
Takeshi Ara <takeshi@***.***>
BODY


飯田様

荒@慶応です

>それは誤解で,むしろやっとスタートラインがはっきりしてくる
>のだと思います.なぜなら,物質の進化系統樹は
>生命前のシステムが,どんな物質でできていたか,
>それが具体的にどのような仕組みで動いていたかなどの
>リアルな姿を,
>          「推定」するための足場
>になるもので,それらを「決定」するものでは
>ないからです.
>
>物質の進化系統樹で(少なくとも部分的に)「決定」できるのは,
>生き物のおおまかな性質が出現した順序です.
>
>進化のリアリティーは「決定」できるものではなくより精緻
>に「推定」されてゆく性格のものだと思います.
>リアリティーは,さらなる実験によってしか獲得できませんし,
>そのような実験の「足場」が欲しいがために,生き物のおおまかな
>性質が出現した順序を知りたいというのが動機です.

なかなかきちんと考える時間が取れないのですが、膜系の進化
の物理的な条件からの考察はとても面白い視点です。2年くらい前に
脂質膜物性の研究の話を聞きましたが、まだまだ1種類の分子の脂質
膜の物性も大変なような印象を受けましたので、多様な分子種の膜
の研究はまだまだやることが山のようになるのかなと思います。
そのための基礎理論(というか指針?)のようなものになるかも、と
思いました。


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荒   武
  慶應義塾大学 先端生命科学研究所
 takeshi@***.***
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