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| 飯田様 
 荒@慶応です
 
 >それは誤解で,むしろやっとスタートラインがはっきりしてくる
 >のだと思います.なぜなら,物質の進化系統樹は
 >生命前のシステムが,どんな物質でできていたか,
 >それが具体的にどのような仕組みで動いていたかなどの
 >リアルな姿を,
 >          「推定」するための足場
 >になるもので,それらを「決定」するものでは
 >ないからです.
 >
 >物質の進化系統樹で(少なくとも部分的に)「決定」できるのは,
 >生き物のおおまかな性質が出現した順序です.
 >
 >進化のリアリティーは「決定」できるものではなくより精緻
 >に「推定」されてゆく性格のものだと思います.
 >リアリティーは,さらなる実験によってしか獲得できませんし,
 >そのような実験の「足場」が欲しいがために,生き物のおおまかな
 >性質が出現した順序を知りたいというのが動機です.
 
 なかなかきちんと考える時間が取れないのですが、膜系の進化
 の物理的な条件からの考察はとても面白い視点です。2年くらい前に
 脂質膜物性の研究の話を聞きましたが、まだまだ1種類の分子の脂質
 膜の物性も大変なような印象を受けましたので、多様な分子種の膜
 の研究はまだまだやることが山のようになるのかなと思います。
 そのための基礎理論(というか指針?)のようなものになるかも、と
 思いました。
 
 
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 荒      武
 慶應義塾大学 先端生命科学研究所
 takeshi@***.***
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