LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1370
DATE
05/08/2002 08:12:40 AM
TITLE
[life:001370] FW: 東大理物理学教室談話会のお知らせ
AUTHOR
Kazuhiro Iida <piyopiyo@***.***>
BODY


ご参考まで.重複ご容赦.
-----Original Message-----
From: Yoshihiro Murayama [mailto:murayama@***.***]
Sent: Wednesday, May 01, 2002 12:33 PM
To: seminar@***.***
Subject: 東大理物理学教室談話会のお知らせ

東京大学大学院理学系研究科・理学部 物理学教室 談話会のお知らせです。

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東京大学大学院理学系研究科・理学部
物理学教室談話会

タイトル:「反応拡散系と生物のパターン」

講師: 近藤 滋 氏
理化学研究所・発生再生科学総合研究センター
位置情報研究チームリーダー

日時:5月10日(金) 16:30?
場所:理学部4号館3階1320号室


発生現象のもっとも興味深いところは、複雑な成体の構造が、ほとんど形態的な特徴
の無い卵から自然に出来上がるところである。このような現象は、非生物界ではほと
んどおきないため、きわめて「生物的」な印象を与えるが、いかに生物とはいえ通常
の物理化学の法則の中で生きているはずである。では、どんな分子機構がその奇跡を
起こしているだろうか?この一見不可能にも思える問題に理論的な説明を与えたのが
Turingである。彼は、化学反応の組みあわせ(反応拡散系)が場に波を作り、それが
模様として現れるという仮説を提唱しました。この仮説に基づいてシミュレーション
をすると、生物に現れるほとんどの繰り返しパターンを簡単に作り出すことができる
ため、理論的には非常に強力な仮説であったが、実験生物学学者の目で見れば「波が
存在する証拠」がなかったため、ほとんどの生物学者とっては、机上の空論の粋を出
ていなかった(もしくは、出ていない)。

反応拡散系の存在を証明するためには「波」という動的な実体が生物体に存在するこ
とを証明する必要がある。しかし、動的な変化をリアルタイムで記録することは現在
の分子生物学技術でもそう簡単ではないため、使える実験は限られる。もっとも実験
に有利な系は、おそらく動物の皮膚模様であろう。皮膚模様は、パターンの変化が時
間的に追える上に、皮膚の模様は明らかに皮下の組織の配置とは無関係なため、自発
的なパターン形成現象が起きていることが誰の目にも明らかであるため、実験家にも
理解することが容易である。

今回のセミナーでは、魚の表皮に生じたstationary waveと、マウスの表皮に存在す
るBZ 波様のtraveling waveを紹介し、その形成原理について考察する。
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村山 能宏 (Yoshihiro Murayama)
E-mail: murayama@***.***
Phone: 03-5841-4183
東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻 佐野研究室




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