LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1271
DATE
08/29/2001 11:26:33 AM
TITLE
[life:001271] Re: What is life? : The phylogenic
AUTHOR
Tomohiko Yamaguchi <tomo@@***.***>
BODY


飯田様、 皆様:

>飯田A1:
>(こういう場合,図があると便利ですね.:)
>包含順序関係下にある属性群については,ご指摘の可能性はございません(断
定).
>
>山口さんにご指摘いただいた,重心がずれてゆくような進化シーケンスの場合は,
包含順序だけ
>では表現できません.それで,[life:001249]でほのめかした,系列の交差点を表す
論理で表現し
>ます.具体的には,Venn図上の関係(同一,重なりと交わり,平行,相補,和,孤
立),相関関係
>(完全従属,独立,正の従属関係,負の従属関係,排他性,同時生起)に注目して
分析しています
>(後日説明する機会があると思います).

明快なご説明有難うございます。私は「包含関係=時間発展」という議論かと誤解し
ていたのですが、
飯田さんのいう包含関係はあくまでも集合論のそれで、包含関係から得られる知見は
時間発展の
必要条件ですね。さらに、ずれは系列交差のときにのみ生じると考えてよいのです
ね。系列交差は、
いわば、化学進化における大進化。

>山口Q4> 関連して、包含関係を評価する際、属性の条件式は全て等価でしょう
か?それとも重
>> み付けがありますか?
>
>飯田さんA4:
>条件式どうしを何を基準として比較するかがポイントになります.ここでおっしゃ
る等価性の判断基準は
>何でしょうか?

山口Q4は、ずれが生じる過程を想定して質問たので、包含関係に限っていえばあま
り意味がない
のかもしれません。それでも、飯田さんのご回答の一部(下記)とは関連しているよ
うに思います。

>飯田さん:
>具体的には,
>A→A∩B
>A→A~{-}∩B
>であることはわかりますが,
>A∩B ⇒ A~{-}∩Bという順序で生起したのか,その逆の順序で生起したのか
を決定する方法について>は,まだ現在研究中です.

経路にいくつかの可能性がある場合、包含関係の場合でも変分原理に相当する評価基
準があると
便利です。系列交差時にずれが生じうる、ということは、新しい条件の下では、必須
ではない条件は
欠落してもよいということです。従って、条件式の関数となるような重み付け関数が
あってよいと思う
のです(系列交差時に限らず)。そうすると、ゲームの理論などが使えるようになる
かもしれません。
以上、思いつきだけですが。


>単なるたとえですが,Aを「無機質である」,Bを「短い分子からなる」,Cを
「遺伝子がある」として考えてみると.
>A∩Bは,無機質の短い分子から成る系
>A~{-}∩Bは,有機質の短い分子から成る系です.
>A「無機質である」からスタートしたとすると,無機質の短い分子から成る系のほ
うが,有機質の短い分子>から成る系より前に生じそうなのですが,まだ結論に至っ
てはおりません

このたとえは面白いですね。A~{-}∩Bは,”無機質ではない”短い分子から成る
系、つまり、
無機質と有機質の複合体(錯体)でもよい。無機質と有機質の複合体⇒有機質という
具合に、
選択肢がずっと広くなります。

山口智彦


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