LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1269
DATE
08/28/2001 08:13:30 AM
TITLE
[life:001269] Re: What is life? : The phylogenic tree
AUTHOR
Tomohiko Yamaguchi <tomo@@***.***>
BODY


飯田様 三田様 & lifeの皆様:

山口智彦@産総研です。
議論を興味深く拝読していますが、小さな疑問を覚えましたので投稿します。
([life:001268] がdistributeされる前に投稿したものの再投稿ですが御容赦下さ
い)

[life:001249]
>幾つかの性質は,より大きな概念の性質に包含されていることに気づき
>ました....実は,この包含されているという関係が,時間順序を表していることに
>気づきました.... 逆の順序で物事が起こるとすると,矛盾を生じます.
>それで,この事実が示す順序を「包含順序」と呼ぶことにしました....
>生物の性質どうしの包含関係を総当りで決定すると,物質に近いもの
>に始まり,より生物らしい性質へと発展してゆく系列群が得られます.これら
>の系列群間が,どこで交差するかを決定すると,生物らしい性質に収束する
>ネットワーク,あるいは樹状図ができるはずです.

飯田さんの説明は説得力があり、全く現実的なアプローチだと常々思っています。
ただ、細かな点;

[life:001261]
>C→D→A→Bのように,Aに先立つ属性がある場合,実験系はAだけでなく,
>それら先行する属性の条件式も「全て」満たさねばならない.こうして属性の順序
列と
>条件式から,可能な実験条件が絞り込まれてゆく.
[life:001265]
>これは包含順序の定義から自明です.属性Xを満たす物質系の集合をS_{X}と書く
時,
>C→D→Aは S_{C}⊃S_{D}⊃S_{A} を意味しますから,S_{A}が実現できた
時,必ず属性
>C,Dも伴います.

(包含関係の上位にある属性は)”先行する属性の条件式も「全て」満たす” の
「全て」と
いうあたりでつまずきました。

 積木を例にしますと、重心を少しずつずらしながら積み上げてゆくと、最上部の
ピースが
最下部のピースと重ならないようにできますね。「少しずつずらして」の「ずれ」
(emergenceと
いっても構いませんけれど)が重なり、重心がずれて、初期属性が見かけ上失われた
可能性は
ないでしょうか?あるいは、アーチを作る際の「ささえ」のように、D→Aに進む時
だけに必須な
(従って失われた)Dの属性、というものがあり得るのではないでしょうか?

可能性ばかりを書いて申し訳ありませんが、「全て」と言いきれるのが数理的な普遍
性に由来するのか、属性の選び方や条件式への分解方法に依存するものかを知りたい
のです。

関連して、包含関係を評価する際、属性の条件式は全て等価でしょうか?
それとも重み付けがありますか?

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