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小林様 lifeの皆様
小林様:
宇宙生物科学会では、微小重力生物学関連の発表がほとんどで、それに放射線生物学
や閉鎖生態系がらみの発表が加わり、起源を含む、いわゆる圏外生物学はすみっこの
方(実際上、われわれのグループのみ)といった状況です。もちろん、宇宙研や
NASDA にも若手を中心に、個人的に興味を持っていらっしゃる方はいますが、現在の
表の仕事との兼ね合いの問題もあるようです。
飯田:
状況理解いたしました.
圏外生物学.魅力的なキーワードですね.
もし,火星や他の惑星で,
生命体(物理属性において地球上の細胞に極めて似た系)が
まさに,爆発的に自然合成されている「現場」が見つかると,
先に本多様への返事の中で述べた,生命起源研究の
2大問題の一つ:「細胞以前の自然の痕跡が失われている」
がバイパスできます.
「現場」さえ押さえてしまえば,一般の自然科学の方法論(
現実に起きていることの説明,再構成,比較検証)がそのまま
使えるからです.
悲しいかな,フリークには,そのための宇宙旅行費用をもてません
が,NASAやNASDAに是非期待するものであります.
もちろん,その世紀の大発見の後にも,第2の問題,
「生命」というあいまいな概念,あるいは,「原始生命」という誤った
概念から派生する数々の問題は残ります.
(その辺の問題の解消にかかる費用は,紙代と鉛筆代だけです.)
今後とも宇宙生物科学会の情報,ご紹介いただけるよう
お願い申し上げます.
飯田一浩
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