LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1230
DATE
07/18/2001 03:14:58 PM
TITLE
[life:001230] Re: NASA と NASDA
AUTHOR
Naoto NEMOTO <nemoto@***.***>
BODY


皆様、ジェンコムというバイオベンチャーの根本です。

飯田、山岸、川村、本多、小林の各先生方のメールを興味深く読ませていただきました。

生命の起源はアプローチの仕方もその対象も様々なために、確かに「学」としてまとめ上げていくことが難しいと思います。そのためか、極めて基礎的で役に立たないような分野であるような印象をもたれてしまうのが残念でなりません。
ロケット開発が国のプロジェクトになるのは、宇宙へのロマンもあるかもしれませんが、それ以上にロケット開発に必要な様々な技術(素材、流体力学、コンピュータ、システム工学、等)の基盤技術の向上とそれを統合化する技術が生み出されて行き、これが次世代の産業を支える原動力になるからだと思います。
学際的な点では生命の起源も負けてはおりません。
ロケットのような具現化した目標(モノ)があれば、よりプロジェクトとして成立しやすいと思います。
しかし、飯田さんが言われるように、サロン的な研究をしみじみとやっていくこともとても大切な気がします。
そういう意味で、川村さんが言われるように一般の人たちが研究にいろいろな形で参加できるようにする、そういったinterfaceがあると本当に良いと思います。
一般の人ができる生命の起源研究テーマを出すこともとても大切な気がします。(そのために、大学の施設を開放するのもひとつ)

話しは変わりますが、
私はある意味では川村さんのいう零細企業に属します。
会社の利益を損なわない形で、なんとか生命の起源研究とも関わっていきたいと思っています。
基本的に社会に役立つようなインパクトのあるテクノロジーを開発しているのであれば、それは基礎的な研究と極めて密接に関係していると思うからです。

最近少し残念なのは、若い人たちがベンチャーだとお金はもらえるけれど、好きなことはできないと考えている人が多いことです。
私はむしろ明確なコンセプトと興味があればベンチャーのほうが好きなことを研究できるのではないかと考えています。「本当の」ベンチャーは最先端で勝負しなくてはならないからです。
ちなみに、私は世間的な常識とは異なり、お金はあまりもらっていませんが好きな研究をさせてもらっています。とはいうものの、いかに会社の目標の中で自分自身の興味を実現させるか、模索中です。

また、今までの大企業でも「もぐり実験」が極めて有用なシーズを提供してきていることが認識されてきています。もぐり実験ができる会社ともぐり実験をする優秀な研究者が欲しいです。

話しはずれましたが、


>
>他に収入があってやりたい研究もできたら,最高ですね.飯田さんがそのような道を
>追求して是非成功して下さるよう期待しています.私は最近,日本の独創的な研究の
>能力の順序は,個人や零細企業>大企業>大学の先生>というふうに,本来期待され
>るのと逆になっているのではないかと思います.本当に未来に役にたつような仕事は
>零細企業などから出てくる.生命の起原の研究でも,一般の人が参加して成果をあげ
>ればすばらしいことだと思います.
>
>>奇をてらったチャレンジをしなくても、現在でも、
>>ゆっくりではありますが、事態は改善される方向に進んでいると思いますが、
>>どうでしょう?
>
>おっしゃる通りだと思います.着実に仕事を進めていくことが近道だと思います.そ
>して,現在生命の起原の研究をしているメンバーはたいへん活力のある人達ばかりで
>す.だから,LifeというメーリングリストやSSOELの組織をもっと生かしたいですね
>.ふと思いつきましたが,Lifeは国際版でしょうか.外国人でも参加できるでしょうか.


川村さんの言われること、全く同感です。
地道に努力していきたいと思います。

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           根本直人
       GenCom (ジェンコム)
Gene Communications
蛋白機能1,2グループ
〒194-8511 東京都町田市南大谷11号
    (三菱化学生命科学研究所内)
nemoto@***.***
Tel: 042-710-1149/ Fax: 042-710-1765
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