LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1228
DATE
07/18/2001 10:27:33 AM
TITLE
[life:001228] Re: NASA と NASDA
AUTHOR
kawamura@***.*** (KAWAMURA Kunio)
BODY


皆様.川村です.

>
>研究者が分散しているために生命起原研究の
>アクティビティーが相対的に低くなっていることが
>社会の認知度を下げているというをという山岸先生
>のお話しや、そもそも起原研究は自然科学として

>しかしNASAが生命起原を含めてあれだけ情報発信
>しているからには、日本も領域としては認めていても
>よさそうなものです.まったく無視して事業を進めてい
>るというのは変な話しで、国策上の優先順位として
>順位が下げられている、つまり宇宙研究全体の予算
>の差が原因というのも、ありえそうで.
>

日本は日本なりのやり方を探して行くしかないのではないかと思います.アメリカと
いう国自体が海賊のような組織ですから,それを考えずにまともに対抗しては負けて
しまうと思います.アメリカは海賊的であるがためにチャレンジします.その部分は
学ぶべきところがおおいにあると思います.結局,国の政策の違いは,社会の上層部
にそのような海賊的な人間がどのぐらいいるかが大きな原因だと思います.

>日本の生命起原研究者も情報発信していますし、
>NASAの生命起原の話題もTVで頻繁にでてきている
>状況なので、生命の起原という自然科学の領域が
>あること、そういう夢のある話しがあることは、生命起原
>研究者が卑下?するよりは、一般の方にも良く知られて
>いるのではないのでしょうか?
>
>例えば、一般の方に「国産人工衛星」と「生命の起原」
>についてどちらを良く知っていますか?と尋ねたら、
>知識の深さ、正確さを問わなければ、生命の起原の
>方を良く知っていると答える人の方が多い気がしませんか?

同感です.大学の先生などより普通の人の方が素朴な疑問を抱いたりすることがあり
ます.上で述べた社会の上層部とは,身の回りの小さな社会にも認められるもので,
官僚的で保守的な人間ほど上層部に上がりやすいということは問題です.保守的か挑
戦的かはバランスをとらなければいけませんが,大学の先生はおおいに保守的だった
のではないでしょうか.大企業もしかり.庶民は大いにチャレンジャーです.

>私はさらに、ぞっこん惚れこんだ基礎研究テーマは
>職業にしてはならない、食うための仕事は別に
>持つべしと考えています.(だから私は、うだつ
>が上がらんのです :) 

他に収入があってやりたい研究もできたら,最高ですね.飯田さんがそのような道を
追求して是非成功して下さるよう期待しています.私は最近,日本の独創的な研究の
能力の順序は,個人や零細企業>大企業>大学の先生>というふうに,本来期待され
るのと逆になっているのではないかと思います.本当に未来に役にたつような仕事は
零細企業などから出てくる.生命の起原の研究でも,一般の人が参加して成果をあげ
ればすばらしいことだと思います.

>奇をてらったチャレンジをしなくても、現在でも、
>ゆっくりではありますが、事態は改善される方向に進んでいると思いますが、
>どうでしょう?

おっしゃる通りだと思います.着実に仕事を進めていくことが近道だと思います.そ
して,現在生命の起原の研究をしているメンバーはたいへん活力のある人達ばかりで
す.だから,LifeというメーリングリストやSSOELの組織をもっと生かしたいですね
.ふと思いつきましたが,Lifeは国際版でしょうか.外国人でも参加できるでしょうか.

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川村邦男
大阪府立大学 工学部 応用化学科
〒599−8531 大阪府 堺市 学園町1−1
電話    0722−52−1161 内線2356
ファックス 0722−54−9903
kawamura@***.***

Dr. KAWAMURA Kunio
Department of Applied Chemistry
Osaka Prefecture University
Sakai, Osaka 599-8531, NIPPON (JAPAN)
TEL 81-722-52-1161 ext 2356
FAX 81-722-54-9903
kawamura@***.***

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