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ワークショップの案内がありましたので、流します。
各位 様
鹿児島大学理学部 生命化学科 塚原 潤三
皆様ご存じのごとく本年度の京都賞受賞者講演会が来たる11月16日に鹿児島大学
稲森会館で開かれますが、この機会を利用いたしまして受賞者を囲みワークショッ
プが開かれます。本年度の受賞者のお一人、スイス・バーゼル大学のゲーリング教
授(ProfessorWalter Jakob Gehring)を囲み、以下の要領でワークショップを開催い
たします。興味のある方は是非ご参加ください。
なお、学生の方々の参加も歓迎いたしますので、ご周知いただければ幸いです。
参加を予定される方は、配布資料などの準備の都合上、できれば11月13日(月)ま
でに私あてにメイルでご連絡いただけますようにお願いいたします。
メイルアドレス:junzo@***.***
ワークショップ
「脊索動物のパターン形成」
日時: 11月16日(木) 午前10:30ー11:30
場所: 工学部共通棟 2階 202教室
話題提供:
1) 安井金也(鹿児島大学歯学部口腔解剖学第一講座)
ナメクジウオ類の癒合型一卵生双生仔から推測される脊索動物の左右非対称性
Laterality in monogamete conjoined twins of lancelets (amphioxus)
2) 坂井雅夫(鹿児島大学理学部生命化学科)
両生類の卵片:背腹軸と前後軸形成研究のための新しい有益なツール
Amphibian egg fragments: new usuful tools for investigating dorsoventral
and anteroposterior axis formation
3) 坂東健二郎、田村正人、大工原 恭(鹿児島大学歯学部生化学講座)
肝細胞増殖因子(HGF)のマウス舌発生における役割
Function of Hepatocyte growth factor/Scatter factor(HGF/SF) in developing
tongue
ゲーリング教授の業績:
「生物の発生機構における種間共通性の発見」
受精卵という一つの細胞から生物個体の形はどのように作られていくのかを研究
する発生生物学において、体節の形を決めるホメオティック遺伝子以上に画期的な
発見ともいえるものが、ゲーリング教授の発見した「ホメオボックス」です。
1983年、教授はいちはやく分子生物学的手法を導入したショウジョウバエの実験に
おいて、各種のホメオティック遺伝子に共通する塩基配列があることを見いだしま
した。そして、この配列が個々の生物の形づくりを規定していることを明らかにし
、ホメオボックスと名付けました。
その後、教授はホメオボックスをもつ遺伝子の発生過程における役割の解析、ホ
メオボックスの指令するタンパク質(ホメオドメイン)がDNAと結合する分子機構の解
明へと研究を展開させて、ホメオボックスは下等な生物からヒトに至るまでさまざ
まな生物に存在することを明らかにしました。すなわち、系統的にはるかに離れた
生物間でも、その塩基配列は驚くほど似ているところから、発生の制御を行う遺伝
子は長い進化の間ずっと保存されており、これまで平行進化してきたと考えられて
きた地球上に存在する生物は、元は同じであり、原理的には共通の分子機構に基づ
いて発生するという概念へと発展したのです。
さらに、ショウジョウバエとマウスの実験から、脊椎動物の眼と無脊椎動物の眼
の発現が共通のマスター遺伝子によって制御されているという事実を証明し、進化
の過程で動物がいかにして眼とおう光受容器を獲得したかを探る上でも大きな手が
かりを与えました。
これらの発見は、生物界における形態の多様性や進化を研究しようとするEvolutionary
これらの発見は、生物界における形態の多様性や進化を研究しようとするEvolutionary
evelopmental Biology(Evo-Devo)へと発展しており、種の進化や生物の系統・多様
性を根源的に理解するための新しいパラダイムの構築に大きな貢献をしています。
なお、ワークショップについての問い合わせは下記にお願いいたします。
企画責任者:
鹿児島大学理学部生命化学科
塚原潤三
TEL: 099-285-8161
E-MAIL: junzo@***.***
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TOMIYANMA Kiyonori
tomiyama@***.***
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