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| [life:001196] Re: Magnetochiral photochemistry |  |  |  
|  | AUTHOR |  | 
| mita@***.*** (Mita, Hajime) |  |  |  
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| 飯田様 LIFEの皆様 
 > 偏りのない光でも,磁場がかかるとキラル選択性がでるという
 > 実験結果がでていますよ.
 > {Rikken, G.L.J.A. and Raupach, E. (2000), "Enantioselective magnetochiral
 > photochemistry," Nature 405:932-935}
 
 大分時間が経ってしまいましたが、読み直しましたので、コメントし直します。
 
 > 飯田さん(Date: Thu, 6 Jul 2000)
 > 私は,溶媒の誘電率がk・Bに依存するとして,それがどうしてキラル選択性に
 > つながるのか,理解できてません
 mediaは溶媒ではなく、ターゲットとする化学物質そのものです。この実験系では、K
 3Cr(ox)3です。光と磁場の影響が電子分布に直接(程度は知りませんが)寄与するこ
 とになります。この辺の効果・機構は、円偏光照射時と同じ事が起きていると考えて
 良いでしょう。(化学反応として、どのように作用するのかよくまだ理解していませ
 んが)
 
 > 三田(Date: Thu, 6 Jul 2000)
 > 円偏光では、反応物ごとに光の吸収波長が異なったり、円2色性の符号が波長に依存
 > したりすることを考えなければなりません。溶媒のDCにまづ作用することは、ある
 > 程度の空間的範囲で同様のキラルな効果を期待でき、非常に面白いですね。
 基本的には、普通の円偏光によるCDと、同じような二色性スペクトル(MCD, Fi
 g.1)で波長に依存してしています。このため、Fig.3bで示されているように、光の
 波長がほんの少し変化するだけで、e.e.の符号が変わってしまっています。
 多分これまでの報告で、コットン効果の波長前後(わずか数nm以内)の光照射でe.e.
 の符号がこんなにきれいに変化することを示したデータはないのではないでしょうか
 。(円偏光に期待した実験系を検討中の自分にとっては、困ったデータですが。)
 
 ところで、e.e.を10^-4で測定していることは非常に素晴らしいことです。
 
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 三田 肇          MITA, Hajime
 
 筑波大学化学系宇宙化学研究室(下山研)
 305-8571 茨城県つくば市天王台1−1−1
 Tel : 0298-53-4134, Fax : 0298-53-6503
 
 Department of Chemistry, University of Tsukuba
 Tsukuba, Ibraki 305-8571, NIPPON (Japan)
 Tel : +81-298-53-4134, Fax : +81-298-53-6503
 
 E-Mail : mita@***.***
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