LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1187
DATE
08/21/2000 05:19:16 PM
TITLE
[life:001187] One sequence Two ribozymes
AUTHOR
"Kazuhiro Iida" <iida@***.***>
BODY


LIFEの皆様

文献紹介です.
Bartel,Sostakのグループが,
{Schultes, E.A., and Bartel, D.P. (2000), One Sequence, Two
Ribozymes: Implications for the Emergence of New Ribozyme
Folds, Science 289:448-452}
なる発表をしています.

RNAの折りたたみ構造は,蛋白質のそれと比較して自由度が
大きく,配列の差が構造に大きく反映されにくい.その反面,
あるクリティカルポイントを超えると,ほとんど同じ配列を持った
RNAが,それまでと全く異なる折りたたみ構造となり,さらに
異なる機能を発現することがあることを,進化分子工学的に
つくったリガーゼと,肝炎デルタウイルスの自己スプライシング
リボザイムを配列,構造比較で示しています.両者は配列は
ほとんど同じなのに,酵素活性,構造が全く違うとのこと.
(See. Fig.2)

彼らのイメージでは,ある折りたたみ構造を持つ配列が変化して
も構造がかわらない Neutral (Neuralじゃないですよ:) Network
Path なる変異経路があるのだけれども,異なる種類の折りたたみ
構造に関して,そのNeutral Netwrok Pathが交差していると,
少ない配列変化で,構造と機能の乗り換えが起こりうる.これは
RNAワールドでの分子進化に役立ったに違いないとのこと.

草々

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