LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1167
DATE
06/12/2000 01:51:16 PM
TITLE
[life:001167] Re: Immune system in bacteria?
AUTHOR
"Kazuhiro Iida" <iida@***.***>
BODY


荒様 LIFEの皆様

飯田:
>生体防御系といった意味です.:)
>外来性の生物に対抗するものとしては,他に毒素の生産を
>挙げても許していただけますか.たとえば抗生物質とか
>(アレロパシーと呼んだほうがいいのかな?)
>逆に外来の毒素(Toxin)など物質に対抗する手段とかあるんでしょうか?
>よく薬剤耐性プラスミドとか聞きますが..それ以外にもありそうな.

荒さん:
毒素、というのを微生物サイドから見ると、栄養獲得のための道具という側面が強い
気がします。
プロファージ毒素が、他の微生物を殺すのに(えさの取り合い)役に立っているかど
うかはちょ
っとわかりません。

飯田:
微生物の毒素=栄養獲得の手段という,その意味は,
ほかの微生物が増えないようにして自分だけ増えるということですよね.
抗生物質ってそういうアレロパシー的意味あいが強い気がしますが,
毒=生体防御的な意味はないんでしょうか?

なにせ私は,脊椎動物が専門なもので,微生物が毒をつかう使い方
をほとんど知りません.
動物でいえば,アレロパシー的なものはあまりなくて
毒蛇のような攻撃的な使い方,
矢毒ガエルのような防御的な使い方が目立ちますが,
特に,ちょっと大きめの生物に食べられにくいように毒を
もっていると思える微生物の例って無いんでしょかね?


荒様:
薬剤耐性に関しては、薬剤のターゲットが変異して効かなくなる
ことはありま
す。こういう「変異」のおこりやすさとかのメカニズムは、生体防御系になるのでし
ょうか?
...
たとえば大腸菌でも、ファージが侵入するのに必要な表面抗原遺伝子に変異をいれる
とファージが
侵入できなかったり、またゲノム上の侵入可能認識サイトがないと入れなかったりす
るそうです。
ファージもたくさん種類があるので、そこらへんの分子群は、やられるかやられない
かということに
かかわっているようです。

飯田:
遺伝的変異を抑制する系をもつものなら,上の例は防御系になると考えます.
大腸菌でも遺伝子の修復系がありますから,薬剤耐性の例もそう
だと思います.荒さんのご意見やいかに?

@梅雨入り.脳にカビ.ニューロンとして使うべし.

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