LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1136
DATE
02/16/2000 02:16:20 PM
TITLE
[life:01136] Re: catalytic efficicency of peptidase
AUTHOR
Mitsuzawa Shigenobu <mituzawa@***.***>
BODY


三田先生,

> そこで、光澤さんなどのような研究をやっている人に期待するのは、 
> 「Nがxxよ
> り大きい条件で 式あ が起これば、 式い、う、え、お、、、 が可
> 能となり、生
> 命(あるいは、それに近づいたもの)への道筋が描けますよ。そのNや
> 式い、う、え
> 、お、、、とは、こんなものですよ。」と、提案してくれることなので
> すが。(Nの
> 価値判断の基準作りとでも言えば良いと思います。)
>
> このように考えている自分には、未知の反応のNを文献から決めるこ
> との意味、そして、この反応だけで、何を議論したいのか、わからない
> のですが。どうか、教えて下
> さい。

メールで全てを書くと長くなってしまうので省略していましたが,
私は「式あ」のような自己触媒系の出現条件を調べています.
で,シミュレーションの結果,先生のおっしゃるように,
触媒反応ネットワークが高濃度のペプチドを作り出すには,
Nがある値より大きい必要があるということを出しました.
で,その閾値Ncが現実的かどうかを知りたかった訳です.

> また、なぜ以下で逆反応を気にしているのでしょうか? 飯田さんがL
> いふぇ01134で、言われるように 平衡論の議論なのでしょうか?
> それとも、速度論の議論なのでしょ
> うか?平衡論であれば、触媒という概念は取り込めないと思うのですが。

計算では,反応以外に,外界との間にアミノ酸,ペプチドの流入,流出
を入れています.で,非平衡定常状態での濃度分布を計算しています.
モデルの詳細は,R.J.Bagley and J.D.Farmer(1991),In Artificial
Life II(ed. C.G.Langton et al.),pp.93-140,Addison-Wesley.
をご覧下さい.

> 最後に、kcat,Kmと同じ反応条件で求めたkrでないとまづいでしょう。
> たとえば、
> 普通のペプチドの酸加水分解ではペプシンなどよりもはるかに効率的に
> 加水分解しま
> す。適当なタンパク質に酵素を入れた試験管と入れない試験管を用意し
> て、適当な時
> 間毎に分析すればすぐに光澤さんの求めている数字は得られるでしょう。
> ただし、多
> 分、ペプシンなどの一般的な活性測定方法では、酵素なしの系は相当に
> 長時間反応さ
> せないと数字に現れた変化にならず、x:0になってしまうのではない
> でしょうか。

酸加水分解のデータを使うのではなく,そのような実験の論文には
参照実験として酸なしの加水分解のデータが載っているかもしれない
ので,それを調べてみますということです.

説明不足で,すいませんでした.


光澤

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