LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1035
DATE
05/10/1999 01:03:20 PM
TITLE
[life:01035] Re: 返: Re:
AUTHOR
wada@***.***
BODY


和田@しぶとい です。

なんだか根本的に議論している対象が違うようです。


>> で,同一物が物質系であるとしたところで,
>> 「同一物が生命になったり機械」になったりするという問題ですが,
>> これは,Aさんがその同一物を生命であると判定した理由を
>> 第3者が検証可能な方法で,きちんと述べ,同じくBさんが,
>> 生命でないと判定した理由を同じく検証可能な方法できちん
>> と述べれば良いだけです.
>>
>> そこから生命とは何か?が見えてくるのであって,先に生命の
>> 定義があるのではないからです.

では、頑張って「生命らしさ」の指標を色々見つけ出したとしましょう。

1.進化する
2.成長する
3.死ぬ
etc...

それでこれらの条件を満たす物を作り上げたらそれは生命に
なるでしょうか?僕的にはそれは単に「生命っぽい機械」に
しかならないと思うわけです。

# AIの世界で進化するようなプログラムを書いても生命には
# ならない現象とほぼ同様


恐らく飯田さんの思考のベースには
「世の中には生命と機械(あるいは生命系と物質系)があり、
この二つは区別できるものである」
という発想があるのではないかと思いますが、僕はそこに
疑問を呈したいわけです。

僕の主張は
「生命と機械と言う2項対立はある意味では幻想である。
生命と機械と言う区分は観測者が観測して初めて発生する」
という物です。

ある意味では世の中の全ての物質系(もしかしたら物質系以外
も含めて)は全て生命であり、同時に機械でもある。どちらを
取るかは観測者に依存する。生命現象と言うのは観測者の内部
に発生する幻想であり、観測者に取っては紛れもなく事実だが、
観測者以外の人にとって常に事実とは限らない。僕はここに
生命現象の難しさ、全ての観測系に置いて普遍性を要求する
「科学」との整合性の取れ無さがあるのではないかと考えて
います。

# ちなみに私は怪しい「にゅーさいえんす」な人ではないです。
# 一応大学院までいってまともにカオスしてました。



まあ、私の場合、

>> もし問題があるとすれば,物質系の「生命らしさ」を検証可能な
>> 方法で示さないで生命云々が議論される場合が多いことだと

まともにこのパターンにはまっている気もしますね。
もしかしたら全然駄目かも。

>> 考えます.それで,「生命らしさ」を計る物理的物差しを議論し
>> てもよかろうと思う次第です.

もちろんです。そういう議論が無意味だ、などと言う気はありません。

ただそれは僕的には「生命らしい」物質系が大体どんな性質をもつのか、
という議論に見えます。この議論を押し進めて行っても出て来る答えは常に
「生命はこういう性質を持ちます」
という答えに留まり
「じゃあ、そういう性質を全部もっていたらそれは生命なんですか?」
という問いに答えられないのではないかと思っています。


>> 未知の生物は,発見された段階で始めて考慮の対象となるわけで,
>> 未知の段階では,生命系とみなす,みなさないの議論の外にあります.:)

そりゃそうですね。ちとまとはずれでした :-)

--------------
和田正壮
wada@***.***
---------------------------
-----
Go to page top