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荒 様
(続き)
3.物理的境界と散逸の話
> 検出条件としての
>
> >4.その部分系からの物質,熱力学量の出入り禁じた時,
> > 散逸が停止するか?
>
> はよいと思いますが、
>
> >もし,部分系の内部に1次のソースがなければ,出入りを
> >禁じること(閉鎖系化)することで,系は平衡状態へ向か
> >うことになり,散逸が停止するはずです.もちろん,完全
>
> ここで「平衡状態へ向かう」と「散逸が停止」は同時並列的関係で
> すよね?「系は平衡状態へ向かうことになり,」
> をとってしまったほうがよりわかりやすいのでは?
系内のエントロピーが次第にプラトーに達することを言おうと
しました.「次第に」という点が曲者で,「持続」と同様に
曖昧なものですから,荒さんのご指摘を受けてしまいました.
意図としては,同時ではありません.
この,「出入りを禁止する」という操作が許されるとして
どのくらい早くエントロピー生成が0になるかについては
議論の余地があります.
.エントロピーの生成量がもともと多いもの少ないもの,
.出入りの禁止によって,早くエントロピー生成が急激に0に
近づくもの,長い時間エントロピー生成が止まらないもの,
4通りの組み合わせが考えられますが,
エントロピーの生成量がもともと多くて,
出入りの禁止によって,急速に0に近ずくものが一番
代謝系らしいように思えます.つまり,内部に熱力学的
ソースが存在しないらしいことがわかるからです.
(もう少し精密な議論にする必要がありますが.)
4.物理的境界の話
> >1.実測による検証に用いる条件(手順的な判定基準)と,
> > 生命の必要条件を表す数理モデルをつくるのに用いる
> > 条件(数理的な判定基準)を一緒に議論していること,
> >
> >2.「別種の物質の生産」,「持続」という
> > 曖昧な言葉が使われていること,
> > (特に「持続」が曖昧である)
> >
> >ことに気づきました.
> >
> >ご指導いただければ幸いです.
>
> (1)
> 2.物理的境界の場合のように、
>
> 「一般にいう事物 Entity,あるいは Closureを記述する枠組み」
> 「検出可能な境界を記述する枠組み」
> (1)「物理的境界を記述する枠組み」
> (2)...
>
> のようにわけて考えて行けばよいでしょう。熱力学量の出入り、といっても
> > D内のシステムのUる舞いを規定する統計量ρ(t)が決まります
> のような表現は「一般にいう事物 Entity,あるいは Closureを記述する枠組み」
> を考えていく礎にもなりうると思います。
うーん,「一般にいう事物 Entity,あるいは Closureを記述する枠組み」
は,どうしても思いつかないので,物理的境界を選んだ経緯があります.
このClosureを,数理的に記述しよう,もしくは計測装置によって検出しよう
と考えてみて下さい.どのような手段が考えられるでしょうか?
それで,「検出可能な境界を記述する枠組み」に注目して議論する方が
良いと考え,それを1.手順的な判定基準と2.数理的な判定基準に
わけることにしようと思いました.
もちろん,「一般にいう事物 Entity,あるいは Closureを記述する枠組み」
を明快に,定量的に,客観的に記述できる枠組みがあれば,即採用します.
あれば,教えていただきたいです.
(続く)
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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