LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
1010
DATE
03/03/1999 04:14:37 PM
TITLE
[life:01010] 12-13C ratio again.
AUTHOR
"Kauhiro Iida" <iidakek@***.***>
BODY


某教授からの又聞きです.

基生研の上田茂先生によれば,12Cと13Cの選別は,確かに
光合成の際にも起こるが,同位体比異常はそれだけではとても説明
できないとのこと.
食物連鎖の過程でさらに選別が進むなどの,多段階のフィルタ
リングが必要で,おそらく光合成系だけでなく一般の酵素反応の
中でも選別が起こる必要があるとのこと.

選別のミクロな過程としては,
酵素タンパク質の分子振動とCO2分子の振動の共鳴が
候補として考えられる程度で,12Cと13Cの選別の機構は
ほとんどわかっていないそうです.

かいつまんで申しあげますと,炭素同位体比のアンバランスを
生命活動全般と対応づけることは可能かもしれないが,
少なくとも光合成と対応づけることはできないそうです.
 

炭素同位体比異常=生命痕跡 に自信を持つ方の反論を
お待ちします.


飯田@NEC基礎研究所

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Kazuhiro Iida, "Life and Evolution '99 --> "
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
Phone +81(298)50-1142, Facsimile +81(298)56-6136.
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